2020.07.06

後悔しないために…離婚準備の知っておくべきことマニュアル

離婚届と結婚指輪

離婚を考えているけど、離婚準備って何をすればいいの…?そもそも何か準備するべきなの?

人生で離婚を2回以上する人はそう多くないでしょうから、離婚を考えている人の大半はどのような手順で離婚成立まで進めればいいのか、どういった離婚準備をするべきか、わからないのではないかと思います。

この記事では、離婚を進めていくにあたって考えたいこと、行うべきこと、注意したいポイントなど、離婚準備について解説していきます。


~ この記事の監修 ~

横倉行政書士

スタートライン行政書士事務所
行政書士・夫婦問題カウンセラー 横倉 肇
離婚専門行政書士として、年間100件以上の離婚相談・養育費未払い防止の為の離婚公正証書作成を行っております。

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1. まずは一般的な離婚の進め方について知る

考える風の助成

離婚準備の前に、まず離婚手続きはどのような流れで進んでいくのかを知りましょう。

まずは、当然ながら夫婦それぞれに言い分や希望があるでしょうから、両者による協議、つまり話し合いからスタートします。

話し合いがまとまり、離婚成立となるケースを協議離婚といいます。
協議には親や兄弟、友人などが介入し、意見を述べたり相談を受けたりアドバイスを行ったりすることもあるかもしれません。

残念ながら当事者同士の話し合いでは進展せず、話がまとまらない時は、家庭裁判所に調停の申し立てをして離婚調停へと進み、裁判所が間に入って話し合いを続けることになります。
このように調停にて離婚成立させることを調停離婚といいます。離婚調停の詳細はこの後に詳しく説明しますが、調停委員という中立的立場の第三者が仲介して協議が円滑に進むように導いてくれます。

それでも決着がつかない場合、いよいよ裁判に突入です。

離婚そのものの可否、財産分与や子供の親権、慰謝料や子供の養育費などといった条件について裁判で争うことになります。
裁判にて判決が下り、離婚を成立させることを裁判離婚といいます。

離婚裁判には調停前置主義という原則があり、例外を除いては離婚調停のプロセスを省いて訴訟手続きを行うことはできないようになっています。
「例外」とは、相手の所在がわからず調停を行えないなどの特殊なケースです。基本的には、離婚後も子供などを介して当事者間の関係が続いていくことから、まずは双方が納得できる形で結論に至る可能性がある調停を経るのが望ましいという考え方がベースにあります。

このように、離婚とは「協議」→「調停」→「裁判」という段階を踏んで進めていくことになります。

いずれの場合も、離婚準備として事前に財産分与、子供の親権養育費面会交流権の他、場合によっては別居期間中の婚姻費用慰謝料などを考えておく必要があります。

そして、最終的に取り決めたことは協議離婚の場合、離婚協議書公正証書といった書面にまとめます。

2. 離婚準備その1:離婚調停とその法的効力について知る

積み重ねた本

協議で決まらなかった場合の離婚調停について、もう少しご説明しましょう。

先ほど触れたように、離婚調停は家庭裁判所で行われるものですが、裁判とは違います。

「調停」はあくまで話し合いで解決を目指す場です。離婚するかしないか、あるいは離婚の条件を最終的に誰が決めるかという観点で見ると、調停は当事者同士の意思であるのに対し、裁判は裁判官の判断ということになります。

つまり、調停で双方の主張や要望、事実関係の争いが妥協点に至らなかった場合、裁判(訴訟)において証拠によって事実関係を確定させ問題の解決を裁判官の判決に委ねることになるのです。

また、調停の場合は、裁判と違って非公開で、裁判官または調停官と共に、2名(男女1名ずつ)の調停委員が話し合いに立ち会います。
多くのケースで当事者たちが調停で話をするのは調停委員です。調停委員が申立人と相手方のそれぞれから話を聞いて、提案をしながら話し合いを進めていきます。それも調停室において個別に行われるため、申立人と相手方が直接話し合いをする必要がありません。

では、調停委員とはどんな人なのでしょうか。実は裁判所に所属する専門家ではありません。原則として40歳以上70歳未満の弁護士、医師、大学教授、公認会計士、不動産鑑定士、建築士、あるいは地域社会に密着して幅広く活動する人などから選ばれた民間人です。

なので、離婚調停の雰囲気は裁判の重苦しいイメージとは少し異なります。
しかし調停が「話し合いでの解決の場」と言っても、そこで決められた内容は法的な効力があります。離婚調停が成立することによって作成される調停調書という書面は、裁判による判決とほぼ同じ法的な効力を持ちます。

法的効力は、離婚が成立したことだけでなく、慰謝料、子供の親権や養育費、財産分与などに及びます。万一相手が慰謝料を支払わなかったり、養育費を支払わなかったりと調停調書に書かれた決め事を守らなかった場合には、給与や預金を差し押さえる「強制執行」を行うこともできます。

協議離婚では、離婚協議書を公正証書のような債務名義にしなければ法的効力が得られませんが、離婚調停なら法的効力のある調停調書を受け取ることができるのが大きな違いと言えます。

もちろん、調停で離婚が成立しても、自動的に戸籍上にそれが反映されるわけではなく、調停調書と離婚届、その他の必要書類を市区町村役場に提出してようやく戸籍上も離婚が成立します。

なお、離婚届は調停を申し立てた者が、調停成立から10日以内に提出する必要があり、それを怠った場合に対する罰金規定もあるので注意が必要です。

3. 離婚準備その2:離婚調停を申し立てるときに準備することは?

青いチェックリスト

離婚調停は、基本的には離婚の意思がある当事者のいずれかが家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立てることによって始まります。

第1回調停期日は申し立てから1~2ヶ月後の期日に指定され、その通知書が家庭裁判所から当事者それぞれに送られてきます。

そして前述のように当事者双方がそれぞれ調停委員と話をし、第三者の立場から提案も受けて進めていきます。

もし調停を申し立てようと思ったら、書類資料を準備する必要があります。
離婚準備の際には、下のリストを活用してください。

<調停の申し立てに必要な書類や資料>

  • 夫婦関係調整調停申立書」などの必要書類
  • 離婚に至るまでの過程理由を説明するためのメモ
  • DVや浮気・不倫など離婚したい理由客観的証拠の用意
    (写真・動画、音声データ、日記やブログ、メール、医師の診断書など)
  • 相手の不貞で慰謝料請求する際、有責配偶者であることが主張できる証拠
  • 夫と妻それぞれの収入を証明する資料
    (源泉徴収票写しや給与明細写しなど)
  • 離婚条件を列記した書面
  • 相手に求める内容をメモしたもの
    (慰謝料や財産分与、婚姻費用、養育費の金額など)
  • 持ち家や共有の貯金などといった財産分与の根拠となる通帳や書類
  • 別居する場合、その期間にかかる婚姻費用の見積もり

これらをしっかりと準備することで手続きや調停委員との話し合いを円滑に行い、自分の主張を明確に伝えることが可能になります。

共働きで自身が仕事をされていてなかなか時間が作れなかったとしても、ここは必ず押さえておきましょう。

4. どれくらいが妥当?養育費の取り決め方

電卓をもった笑顔の女性

子供がいる夫婦が離婚する時、父親か母親のどちらかが親権を持つことになります。そして、親権を譲った方は、原則として未成年の子供が成人になるまで養育費を支払います。

養育費は子供のためのお金です。離婚準備の際には養育費についても必ず取り決めましょう。

協議離婚の場合は、夫婦の話し合いで養育費の金額を自由に決めることができます。
もちろん、各家庭の事情によっても必要な金額は変わってきますが、裁判所や日本弁護士連合会が、父母の収入金額や子供の数と年齢だけで養育費を素早く確認できる養育費算定表を作成しています。

裁判所が作成した養育費算定表は家庭裁判所の実務でも活用されています。これは養育費を決める上で一つの参考になるでしょう。

(参考)裁判所|養育費・婚姻費用算定表
(参考)日本弁護士連合会|養育費・婚姻費用の新しい簡易な算定方式・算定表に関する提言

また、2019年12月23日、裁判所による養育費算定表が改正されました。

改定前の養育費算定表は2003年に作成され、当時の税制や社会保障制度等のもとで活用されていたものだったことから、最新の統計値などを用いて現在の社会に合った内容に改定されたのです。

特に、新しい養育費算定表では、従来から問題となっていたひとり親世帯の貧困を改善するために、養育費の支払い額の基準が多くの場合で引き上げられています。

実は近年、養育費の未払い問題が社会問題となっています。2016年度の厚生労働省の調査(ひとり親世帯等調査結果報告)から、母子家庭のうち養育費を現在も受け取っているのは24.3%に過ぎないことがわかっています。

つまり、全体の4分の3は養育費を受け取っていないのです。そうした母子家庭には厳しい社会の現実や、養育費自体が低額であることを鑑みて、新養育費算定表は養育費の金額の底上げを目的として作成されました。

多くの場合、新養育費算定表により養育費の金額は増えますが、劇的に増えるわけではなく、金額が変わらないケースもあります。特に相手方の事情もあるので、過去に取り決めた養育費を増額させるのは容易なことではありません。
ただし、養育費算定表の改定をきっかけに、協議や調停手続を行うことにより養育費の変更を相手に請求することは可能と言えます。

これから離婚準備や協議を行う場合も、養育費算定表は一つの目安にはなりますが、それだけを頼りに金額を決めることはおすすめできません。今後、長い期間子供を育てていくことになり、養育にかかる費用は個々によって異なります。

そのために必要なお金をできるだけ具体的に見積もり、養育費をいくらにするかを話し合うようにするべきでしょう。

また、将来的に養育費が受け取れるか不安のある場合は、万が一未払いになってしまった場合に、いったん立替えをし、立替えた分の請求を代わりにしてくれる養育費保証という民間企業のサービスが提供されているので、検討をしてみるのも良いでしょう。

「養育費保証」サービスを利用するには費用がかかりますが、初回の費用を最大5万円ほど助成してくれる自治体も全国に約40くらいありますので、住んでいる自治体が対応していないか、興味のある方は調べてみてください。

5. 相手が再婚した場合はどうなる?

ブルースターの花

離婚準備を念入りに行い無事に離婚成立したものの、その後に元夫が再婚した場合、養育費はその後もずっともらい続けることはできるのでしょうか?

あなたが女性で子どもの親権を持ち、元夫である男性から養育費を受けていて、その男性が別の女性と再婚したケースで考えてみます。

まず再婚相手に子どもはなく専業主婦の場合は、再婚により元夫には再婚相手の扶養義務が生じます。

しかし、再婚相手が現実には専業主婦で無収入であったとしても、働けない事情がない場合は「仮に働いたらこのくらいの収入は得られる」と推定される金額潜在的稼働能力を考慮して、養育費減額の有無を決めることになります。

もし再婚相手が子持ち、あるいは再婚相手との間に子どもが出来たとします。実子の場合はもちろんですが、再婚相手が子連れの場合も元夫がその子どもと養子縁組した場合は、元夫が扶養義務を負う対象が増えるので養育費は減額となるケースが多いです。

再婚相手に子どもがいるのに元夫が養子縁組しなかった場合は、元夫に扶養義務は生じません。しかし、子どもが小さくて再婚相手が働けないと判断されると、再婚相手に対する扶養義務が元夫にあるため養育費が減額になることも考えられます。

これらはすべて一般論にすぎませんが、どのようなケースにおいても再婚した相手にはあなたに対して減額を求める権利が生じます。養育費の減額を請求されたら、まずはお互いに話し合って合意点を探り、決着がつかない場合、離婚のときと同じように調停や裁判によって実際にどうするかを決めていくことになります。


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