更新日: 2023.03.28

公開日:2023.03.24

離婚のメリット・デメリットとは?お金に困らないための取決めについてもご紹介

?マークを浮かべる女性

「離婚すべきか、このまま結婚生活を続けるべきか決断ができない…」
このようなお悩みを持たれている場合、離婚したらどんなことが待ち受けているのか、どんなメリットリスクがあるのか具体的に想像ができていない可能性があります。特に、離婚後のお金の面について懸念されている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、離婚のメリット・デメリットを、代表的なものから、男女別や子持ちの場合についてご紹介します。また、実際に離婚することになった場合に話し合っておくべき内容について、金銭面に焦点を当てて解説していきます。


1.離婚のメリット

「MERIT」と書かれた札

「離婚」と聞くと、ネガティブなイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、離婚することで得られるメリットもあります。まずは、離婚のメリットについて紹介します。

1-1.肉体的や精神的な面で楽になる

1つ目は、肉体的や精神的な面で楽になることです。離婚によって、心身ともにストレスから解放される人が多くいます。例えば、これまで家事を夫の分もワンオペでこなしていた場合、離婚後は自分や子供の分だけ家事をすれば良いので肉体的に楽になります。

また、相手と性格が合わず、妻(夫)との会話など日常生活の些細なことで苛立ってしまうことが多い場合、離婚後はそういった激しい感情の起伏から離れ、精神的に安定した生活を送ることができます。
加えて、相手から束縛を受けている、直接的にDV被害を加えられている方も肉体面・精神面で被害を受けずに済みます。離婚により家庭内暴力から解放され、自分の身体と心を大切にする生活を送れるようになります。

1-2.お金や時間の縛りがなくなり自由にコントロールできる

2つ目は、お金や時間を好きにコントロールできることです。結婚生活を送るうえでは、自分の言動が家庭へどのような影響をもたらすのかを考えて行動することが多くなります。子供がいるケースでは、なおさらのことです。
そのため、「趣味や友人との交流に時間を割けない」や「お金を自由に使えない」など、小さな出来事の積み重ねが大きな不満となり、離婚を決心する理由にもなり得ます。

もしくは、パートナーの借金癖がひどく自分の生活が困窮しているケースなど、相手の無責任な行動によって自分の自由が制限される場合もあります。
離婚をすれば、そういった重圧から解放され、娯楽や人付き合いに使うことができるお金・時間を増やすことや、自分の生活を立て直すことができます。

1-3.新たなことに挑戦しやすくなる

3つ目は、新しいことに挑戦しやすくなることです。離婚をすると、自分自身に費やせる時間が増えるため、結婚して「もう遅い、もう無理だ」と諦めていたことにチャレンジできるようになります。

実際に、今までできなかったことに挑戦したり、趣味を増やしたり、または新しい恋愛を始めてみたりと、自分のための活動を楽しんでいる人も多くいます。
また、離婚してから仕事に集中することができるようになったことで、パートを退職して正社員に転職する人もいます。

1-4.子育てに専念できる

4つ目は、子育てに専念できることです。小学生・中学生など、子供が精神的に未熟な時期は、親とたくさん会話をし、親からの愛情を受ける必要があります。学校であった嬉しい出来事・悲しい出来事など、ささいなことでも親に聞いてほしいはずです。

しかし、親同士が絶えず喧嘩をしている、家庭内暴力の被害など、まともに家族で会話が出来ないような場合は子供が気を使って、親と会話したくても我慢しているケースもあります。
離婚をすれば、自然と子供との会話が増え、子供は親からの愛情をより多く感じられるようになるかもしれません。また、離婚によって子供を健やかに育てる責任感も強まることで、親子の関係がより強固なものになるでしょう。

以上の4つが、離婚後に得られるメリットとなります。続いては、離婚後に発生するデメリットをご紹介します。


2.離婚のデメリット

「DEMERIT」と書かれた積木

離婚することで、様々な部分のしがらみが消え、気持ちも時間も肉体的にも開放されるようになります。しかし、パートナーが負担していた作業などは、自分ひとりで担っていかねばなりません。
ここからは、離婚に関するデメリットを確認しましょう。

2-1.家事などの負担が増える

1つ目は、家事などの負担が増えることです。離婚した場合、生活費を賄うために、フルタイムでの仕事を始める必要があります。そうなると、仕事だけはなく、家事、育児もすべて一人で行うことになり、身体に負荷がかかります。結果として、自分のために使う時間が減り、趣味や友人との交流も我慢せざるを得ない状況になるかもしれません。

また、長年結婚相手に家事をまかせっきりだった場合も、離婚した途端に食事の用意や洗濯、掃除などを行わなければならない場合があります。

こういったワンオペ家事によるストレスを避けるために、離婚後に実家で家族と同居することをおすすめします。家族と同居ができれば、家事の分担も可能です。離婚後に仕事を始める場合は、その間の育児も親にお願いできます。もし家族と同居することが難しい場合は、家事代行サービスの利用も有効です。しかし、こういったサービスにはお金がかかるため利用の際はよく検討しましょう。

2-2.経済的に苦しくなる

2つ目は、経済的に苦しくなる可能性があることです。結婚相手の方が自分より収入が多い場合や、パート働きの場合、離婚後の生活費は自分で賄っていく必要があるため経済的に困窮することがあります。
たとえ生活費は支払えたとしても、必要最低限のものにしかお金を使えない生活になってしまうかもしれません。子持ちの場合は、習い事や旅行など、子供に色々な経験をさせてあげることができなくなってしまいます

また、喧嘩の勢いや性格の不一致、浮気されたショックから衝動的に離婚を決意してしまった場合は、「もっとお金について取り決めしておけばよかった…」と後悔することが多いようです。

衝動的に離婚をしてしまうと、離婚した後の収入が確保できない状態に陥ってしまう可能性が高くなります。離婚を決断したら、まずはその後の自分の収入や生活費などについて、きちんと計画を立てましょう。また、離婚をしたらもらえるお金のことは、自分で調べたり、相手と話し合ったりすることが大切です。

2-3.世間体が気になる

3つ目は世間体が気になることです。離婚家庭への先入観を持たれている方は一定数います。特に地方の場合は、ご近所付き合いのつながりが強いために、すぐに離婚したことが広まってしまう可能性があります。子供が学校でも噂されてしまったら…と考えてしまう方もいるでしょう。

しかし、世間体を気にして我慢を続け、自分や子供の心身に悪影響が出てしまったら元も子もありません。「本当は離婚したい」という望みがある場合は、一度世間体と自分の希望のどちらが大切か、考えましょう。案外周りはそこまで他人の事情を気にしていないケースや、一度噂されても、すぐに新しい噂にかき消され、忘れられるケースもあります。

ただ、離婚によって家に引きこもってしまう、精神的ショックで身の回りのことに手が付かなくなってしまうようであれば、離婚は避けたほうがいいかもしれません。

2-4.離婚に関する手続きで労力がかかる

4つ目は、離婚に関する手続きで労力がかかってしまうことです。離婚を成立させるには、さまざまな手続きが必要になります。

例えば、戸籍移動や手当に関する手続き生命保険の受取人変更などの手続きが必要です。もし小さい子供がいる場合は、子連れで役所に行かなければならず、身体的にも疲れが溜まってしまいます。また、離婚後に引っ越しを考えている場合は、住居の確保のために、内見や入居手続きも併せて必要になります。それに加え、親権や金銭関係の話し合いも必要になります。スムーズに話し合いが終わる場合は問題ありませんが、相手と揉めたりするとそれだけ体力を消耗するでしょう。

こういった労力を少しでも軽減するために、あらかじめ自分に必要な手続き・作業を把握することをおすすめします。

子どもの有無、扶養者・被扶養者など、状況によって必要な離婚手続きは様々です。また、調停や裁判など、複雑な問題が絡んでくる場合は、弁護士に相談することも検討しましょう。

2-5.孤独感や喪失感が出る

5つ目は、離婚によって孤独感や喪失感を味わうことです。自分の意思で離婚を決断したはずが、実際に離れてみると寂しさを感じてしまうこともあります。

普段の何気ない会話や、いざというときに頼れる存在がいたことに、知らず知らずのうちに救われていたことに気づき、離婚を後悔する方もいます。

孤独感や喪失感に襲われてしまいそうなときは、結婚生活では忙しくてできていなかった趣味を再開してみる交流が途絶えていた人に会ってみるなど、いつもと違うことをして寂しい気分を紛らわせましょう。知り合いに離婚をされた方がいる場合は、そういった方の経験談を聞くのも良いでしょう。前向きな考え方を教えてもらえるかもしれません。


以上が、離婚した場合に考えられるデメリットとなります。


3.男女別 離婚のメリット・デメリット比較

天秤に乗った男女の人形

これまでご紹介した離婚のメリット・デメリットを踏まえ、男性・女性それぞれの離婚後に感じやすいメリット・デメリットについてまとめました。あくまでも以下のような事例が多い、というご紹介になりますが、一般的には離婚後こんな影響が出るのか、といったように受け取っていただければと思います。

女性男性
メリット夫のお金の管理をしないでよくなる
夫の好みに合わせなくてよくなる
自分のペースで家事ができる
比較的親権が獲得しやすい
自分の給料を好きに使える
妻から小言を聞かなくて済む
家族を養うプレッシャーから解放される
自分の時間を最優先にできる
デメリット(専業主婦の場合)仕事が見つかりにくい
(子連れの場合)ワンオペ育児になる
経済的に苦しくなる
財産分与などについて、話し合いをせずに後悔する
家事をすべて自分で行わなければいけない
子供と会えず孤独感に襲われる
親権を獲得しづらい
財産分与、養育費などの経済的負担が生じる

 3-1.女性側のメリット・デメリット

女性のメリットは、家事や金銭面の管理からの開放・また、親権の獲得です。一方で、デメリットとしては、職探しが難しいことで生活水準の低下や仕事と家事・育児の両立で身体的な負担増加などがあります。

離婚によって、女性側はあらゆる側面で旦那の面倒を見なくてもよくなります。また、結婚生活では夫の生活に合わせ一日のスケジュールを組んでいる場合も、離婚をすればマイペースに家事を進められ、心に余裕をもって過ごすことができるでしょう。離婚する際に決定する親権についても、一般的に女性が獲得するケースが多いです。親権を握ることにより、自身のやり方で、子供を心身ともに健やかに育てるための最大限の努力ができるでしょう。

しかし、専業主婦だった場合は離婚後の仕事探しに苦労することがあります。旦那の稼ぎから生活費などを多く出してもらっていた場合、離婚後に生活水準が下がってしまうことがあります。子連れの場合は自分ひとりで家事・仕事に加え育児もこなさなければならず、体力的をかなり消耗するときも多いでしょう。そのようなケースの方こそ、離婚前に財産分与や養育費、などについてしっかり話し合っておくべきですが、「相手の顔も見たくない」などと意地を張ってしまい、請求をせず離婚に至ることもあります。結果的に、もらえるはずだったお金が手元になく、後悔することになります。

3-2.男性側のメリット・デメリット

男性のメリットは、家庭を支えるプレッシャーからの開放・また、自由に使えるお金、時間が増えることです。一方で、デメリットとしては、家事の負担が増えること、親権の獲得しづらさや離婚によって生じる経済的負担などがあります。

男性が離婚した場合は、給料や休日の過ごし方などを自由に決めることができます。趣味や友人との交流を優先したいときでも、父親として家族を第一に考えなければいけない生活から解放されます。また、最近では家事を手伝ったにもかかわらず妻からダメ出しされる、いわば「妻からの家事ハラ」を経験した男性は多いようです。離婚をするとそういった小言を言われることがなくなります。

しかし、離婚後に家事をすべて自分で行わなければならないことを苦痛に思う男性は多いのではないでしょうか。仕事を終え帰ってきても、あたたかい食事が用意されていない、風呂も自分で沸かさなければならない…となれば、最初は家事の大変さを感じやすいです。また、比較的に男性のほうが親権を得る確率が低いことも、男性の離婚をするうえでのデメリットとしてあげられます。面会交流はあるものの、毎日顔を合わせていた我が子と触れ合える機会が急に減るため、孤独感を感じることは多いでしょう。

そして、離婚した場合は夫婦間で財産分与をする必要があります。もし男性側の収入が高く、妻が専業主婦だった場合でも、婚姻中に築いた共有財産として二人で分けることになっています。男性側が不貞行為をしていた場合、財産分与に加え慰謝料を支払うケースもあります。さらには、子供が未成年で離婚したときは、子供が成人するまで養育費を支払う必要があります。養育費は離婚をしても支払う義務があるものですので、子供の成長のために協力的に支払いましょう。

以上、男女別で離婚のメリット・デメリットをご紹介しました。男性も女性も、解放されるという側面では離婚はプラスに働きます。一方で、身体的・精神的な苦痛、経済的負担を伴うという意味では離婚はマイナスになり得ます。


4.子供がいる場合に離婚で気をつけるべきこと

喧嘩する夫婦の前で落ち込んでいる子供

離婚が子供にもたらす影響は、大きいものです。特に離婚のタイミングによっては、その影響がより強いものになってしまいます。
できるだけ子供への悪影響が少ない状態で離婚するために、心がけたいことをご紹介します。

4-1.離婚が子供にもたらす影響を考える

離婚によって子供に与える影響のひとつとして、住環境の変化があげられます。
転校を余儀なくされ、住んでいた地域できた友達と会えなくなると、ストレスを感じやすくなります。それ以外にも、

  • 片親が突然いなくなってしまった寂しさや喪失感から精神的に不安定になってしまう(精神面)
  • 生活水準の低下により我慢を強いられる(皆が持っているおもちゃを買ってもらえないなど)(経済面)
  • 両親がいる家庭と自分を比較し自信を喪失する(精神面)

などもあるでしょう。子あり家庭で離婚する場合は、離婚によって子供に与えるダメージを最小限に抑えることが大切です。子供への配慮なしで離婚した場合、精神的な傷を負ってしまい、その後の子供の人格形成に大きな影響を及ぼすリスクもあります。
それを踏まえ、離婚を決意した際は、子供に離婚の責任がないことをしっかりと伝えたり、面会交流だけではなく子供とメールなどで連絡を取り合ったりし、子供への精神的な配慮は欠かさず行いましょう。

一方で、親同士が喧嘩ばかりでいつも不穏な空気の家庭や、不倫や浮気が子供に知られている・家庭内暴力やモラハラ被害がある場合は、離婚をしたほうが子供のストレスが解消され、離婚が子供にとっていい選択となるでしょう。

4-2.できるだけ子供へ負担がかからない時期に離婚する

一番理想的な離婚のタイミングは、子供が成人したときです。成人になれば子供も精神的に成熟し、親の決断をうまく受け入れられるようになっています。また、親権や面会交流について取り決める必要がなくなる為、子供への精神的な負担も減るでしょう。

しかし、子供の成人まで離婚を待てない場合には、子供の進学のタイミングなど、子供に記憶が残らない時期に離婚をするのが賢明です。名字の変更、転校によってほかの子供から離婚についての話題に触れられることで、子供により精神的な負荷をかけてしまう危険性があるからです。

子あり家庭の方は、家庭や子供を取り巻く状況を考慮し、子供にとって一番負荷がかからない方法・時期を選んで離婚しましょう。

5.離婚をスムーズに進めるために準備するべきこと

グッドポーズをする女性

離婚の手続きは、かなり労力がかかるものです。少しでも効率的に離婚を進めるために、以下のポイント3つに考慮して事前準備をすすめましょう。

5-1.浮気やDVなどが原因の場合は証拠を集める

まずは、不貞行為が原因で離婚する場合は、証拠集めをすることです。浮気や家庭内暴力を理由に離婚をする場合、裁判や慰謝料請求の際に、相手がそのような不貞行為をしていたという証拠が必要となります。

相手から受けた怪我・損傷したものなどを写真に残しておく、相手が不貞行為を認めたときの発言などをメールや電話を記録するなど、できるだけ多く、詳細にパートナーから被害を受けた証拠を残しておきましょう。

5-2.財産分与や年金分割など、金銭面の話し合い

次に、離婚時に発生するお金まわりの取り決めをすることです。離婚協議中や、離婚後の生活には、かなりの費用が発生します。特に、弁護士に相談している場合や、別居している場合、その他離婚後に転居する場合やシングルマザーとなる場合は、なおさらのことです。

お金まわりのことは、離婚後に決めることもできますが、相手が所在地や連絡先を眩ませる等リスクが伴います。そうなった場合、そもそも話し合いを進めることができず、泣き寝入りになってしまいます。

本来、しっかり話し合っておけばもらえたお金を逃してしまうのは、もったいないことです。請求期限が設けられているものもありますので、金銭面の取り決めについては、あらかじめ話し合っておいたほうが得策でしょう。

5-3.必要に応じた弁護士への相談

最後は、状況によっては弁護士へ依頼することです。以下のケースでは、弁護士に依頼したほうが離婚をスムーズに進められる可能性が高いです。

  • 相手が離婚に反対しており、話し合いが進まない
  • 家庭内暴力モラハラ被害借金問題を抱えている
  • 財産分与や養育費などの金銭面の取り決めや、親権についての話し合いで揉めている

このような悩みを持たれている場合は、弁護士に依頼することで、手続きを有利に進めることができます。また、浮気や暴力など、相手からの不貞行為で離婚したい場合は、証拠集めの方法について教えてもらうことができます。

一方で、弁護士に依頼することで費用がかかってしまいます。依頼費を支払ったとしても、相手の主張が法律的な観点から適切と考えられる場合は、自分の希望通りの結果が得られない可能性もあります。金銭に関わる調停の場合だと、相手の収入が少ないと支払ってもらえないこともあるのです。
こういった一定のリスクを考慮したうえで、話し合いでの解決が難しそうであれば、弁護士依頼を検討するのも手です。

以上、離婚をスムーズに進めるために準備したいことについてご紹介しました。いざ手続きをするときにになって困らないよう、状況の整理や弁護士への依頼を考慮しましょう。

6.離婚前に話し合うべき6項目

お金について話し合っている男女の手元

離婚するとなった場合、離婚後の生活や子供の親権、子供の将来、金銭面など事前に決めておくべき事項があります。自分が損をしないためにも、以下の6項目については話し合っておきましょう。

6-1.親権

1つ目は、親権です。離婚後は、片親のみに親権を行使する単独親権となり、日本の法律上では、子持ち夫婦の場合、親権者が決定しない限り離婚は成立しません。
親権者を決定する際は、「子供が安定した生活を送ることができるかどうか」「子供にとってどちらの選択が幸せか」を優先することが大切です。

もし自分が親権を獲得できなかった場合でも、面会交流の権利はあります。離婚によって孤独感に苛まれる子供も多いので、子供の健やかな成長のためにも、面会交流の頻度はできるだけ多く設定しましょう。

とはいえ、まだ子が幼い場合は、一般的に妻が親権を獲得するケースが多いです。その場合は離婚後の子供の戸籍や姓についても、夫と話し合い明確にしましょう。たとえ親権が母親になっても、子供は父親の戸籍に残ったままになるケースがあります。

6-2.財産分与

2つ目は、財産分与です。婚姻中に蓄積した財産は、夫婦で分配することのできる共有財産です。
お互いが納得していれば、夫婦の合意で内容を決めることができるため、話し合いが非常に重要になります。

現金・預貯金、不動産、車、家具・家電など結婚期間中の夫婦生活のために財産は基本的に対象になります。「何を」「どの割合で」「どんな方法で」分配するのか細かく話し合っておきましょう。

6-3.慰謝料

3つ目は、慰謝料です。相手が浮気をしていた、DV・モラハラを受けたなど、夫婦のどちらか一方に明らかな離婚の原因がある場合は、慰謝料を請求することができます。

まずは夫婦間で支払いを決めることになりますが、相手が話し合いに応じない、まともに冷静に話し合いができない状況の場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。

6-4.年金分割

4つ目は、年金分割です。年金分割とは、離婚の際に婚姻期間中の厚生年金記録に基づき夫婦で分割割合を決め、将来支給される年金を分けることです。配偶者より給与が低い場合は、年金額を増やすことができます。逆に、年金分割をしないと老後にもらえる年金がわずかなものになってしまう可能性があります。

種類によっては、相手との話合いによる合意が得られない場合、請求ができないケースもあります。

(参考記事)離婚時の年金分割制度とは?手続き方法・計算方法についても解説

6-5.婚姻費用

5つ目は、婚姻費用です。婚姻費用とは、衣・食・住の費用のほか、子育てに必要な費用など、夫婦が生活をしていくために必要な費用のことです。離婚準備を進める、婚姻相手から距離を置き冷静に考える、などの目的で、離婚前に別居をされる方も一定数います。離婚前に別居する場合も、婚姻費用を支払ってもらうことができます。その場合は、婚姻費用の負担について、別居をスタートする前に、どちらがどの程度費用を負担するか取り決めしておきましょう。

ただし、自分が別居の原因となっている場合には、婚姻費用の請求が認められない場合がありますので注意が必要です。

6-6.養育費

6つ目は、養育費です。たとえ離婚をしたとしても、非親権者は男性女性問わず子供の養育費を支払う義務があります。

しかし、養育費の支払いは滞るケースが多く、母子家庭の半数以上は養育費の支払いを受け取っていない状況が現実です。万が一のケースに備え、離婚前にパートナー合意のうえ公正証書を作成しておくことをお勧めします。また、その際は「強制執行認諾文言」をあらかじめ追加しておきましょう。この条項を追加しておくことで、家庭裁判所で調停をせずとも、養育費支払をしてもらうための財産の差し押さえが可能となります。

養育費の未払いを諦めることのないように、前もって対策をしておくことが重要です。離婚後の生活のために、必ず金銭面の話し合いは進めておきましょう。


(まとめ)後悔のない選択で離婚を進めよう

背中を向けて歩き出す男女

今回は、離婚のメリット・デメリットと、離婚を決意したら話し合っておきたいお金のことについてご紹介しました。離婚は結婚の何倍も大変だ、と言われるように、離婚するためにはたくさんの手続きや話し合いが必要になります。離婚後の生活では、離婚準備よりさらに苦労することもあるでしょう。

後から離婚を後悔しないように、ご自身にとって離婚するメリット・デメリットどちらが多いのかしっかりとイメージしてから、決断をしましょう。本格的に離婚を決意した場合は、できるだけ自分が損をしないよう、相手としっかり話し合いましょう。


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