2021.08.10

離婚に必要な弁護士費用って高い?上手な選び方と5つのポイント

電卓と弁護士バッジ

いざ離婚を考えたときに、弁護士に相談しようと考える人は多いと思いますが、費用が高いイメージがあり、不安に思うことはありませんか。

弁護士は法律問題のプロですので、離婚の争いごとを解決するためには頼もしい味方。しかし一方では弁護士も商売ですので、選ぶ側も割高なお金を払わなくて済むよう、賢い選択をしたいものです。

弁護士費用は自由化されており、弁護士や事務所によって違いがあるため、どのような費用がどのくらいかかるのかなど、離婚の相談をする前に、最低限のことは調べておいたほうが良いでしょう。

ここでは離婚の際の弁護士費用で後悔しないために、費用の相場や、賢い弁護士の選び方費用を押さえる方法などをまとめてご紹介いたします。

目次

1. 弁護士費用の概要

スーツを着た女性弁護士

現在、弁護士費用は自由化され、金額をいくらに設定するかは、それぞれの弁護士に委ねられています。

離婚の際の弁護士費用の相場は30万~110万くらいなのですが、離婚する際にかかる弁護士費用を調べる前に、まずは弁護士費用の概要を理解しましょう。

ここでは、費用の相場や事務所による違い、参考のため、自由化される前の弁護士費用の基準について説明します。

1-1. 弁護士費用の相場と内容

弁護士費用は大きく

  1. 相談料
  2. 着手金
  3. 成功報酬
  4. 日当・実費

に分かれます。

それぞれの内容は以下の通りです。

① 相談料

弁護士に相談する際に必要な費用です。相場は、1時間 5,000円~1万円くらいですが、最近は相談料を無料にしている弁護士や事務所も多いようです。

無料の場合は気軽に相談できますが、一度相談するとそのあと断りにくく感じるものですので、本当に依頼するかどうかはそのあとしっかり判断してください。

② 着手金

着手金は、実際に調停などを依頼する際にかかる費用です。

結果として希望の内容で調停や裁判がまとまったかどうかは関係がありません。離婚の成立のみを目的とした場合は10万~30万円くらいです。

この他に、財産分与や慰謝料など離婚に伴う金銭的な請求がある場合は、別途目標とする金額の3~8%程度が必要で、これらを合算した金額が相場です。

③ 成功報酬

成功報酬は、依頼した問題が解決したときに払う費用で「報酬金」とも呼びます。

どのような結果に対していくら払うのかは、弁護士や依頼内容によって異なりますが、財産分与や慰謝料がなく、離婚の成立のみを目的とした場合の相場は20万~30万くらいです。また、財産分与や慰謝料など、もらえる金額を結果とする場合は、これに加えて、そのうちの5~15%を成功報酬として支払うのが相場です。

弁護士費用のなかでは割合の大きな費用ですし、条件によって金額も大きく変わるため、依頼する際はよく相談・確認しましょう。

④ 日当・実費

・日当

裁判所が遠い場合や、出張を伴う対応など、弁護士が事務所を離れて行う業務に対して支払う費用です。

相場はケースバイで、半日または一日単位の金額で支払います。相場は一日で2万円~5万円程度ですが、弁護士事務所や契約内容によって違いも大きいようです。

・実費

調停や訴訟の申し立てに必要な収入印紙代や手数料のほか、対応に当たって発生した交通費宿泊費郵便物の郵送料などの実際にかかった費用などが含まれます。

なお、裁判所への申し立てに必要な収入印紙や手数料は、申し立ての内容よって異なり、大体2,000~8,000円くらいの範囲です。

1-2. 弁護士による費用の違い

弁護士に仕事を依頼する場合の費用は平成16年4月より自由化され、それまでの報酬規程が廃止されたことにより、弁護士事務所によって報酬金の設定内容異なるようになりました。設定の仕方もそれぞれでパターンがありますので、いくつかの弁護士事務所を比較してみるのが良いでしょう。

中には相談料無料や、着手金無料(成功報酬のみ)、日当なし(着手金に含まれている場合などもあり)、というような設定をしている弁護士事務所もありますので、うまく活用できるとメリットがあります。

1-3. 弁護士費用の旧相場

弁護士の報酬規程は廃止されたとお伝えしましたが、旧報酬規程を基準に弁護士報酬を決めている事務所もまだ多いようです。ここでは参考のため、旧報酬規程のうち主だった離婚に関する費用についてお伝えします。

費用旧相場
法律相談料5,000円~1万円 / 30分ごと
着手金(離婚成立のみを目的とした場合) 20万~50万円
(財産分与や慰謝料などを請求する場合)上記に加え、目標とする額の8%
報酬金(離婚成立のみを目的とした場合)30万~60万円
(財産分与や慰謝料などを請求する場合)上記に加え、獲得した額の16%
日当5万~10万円 / 1日
弁護士費用の旧相場

※一例として、目標額、獲得額ともに300万円以下の場合をもとに計算しています。

これで費用の全体感がわかると思いますが、全体的に現在の相場よりも少し高めです。

2. 離婚時の弁護士費用の具体的な内訳と金額

紙粘土の円グラフ

ここでは弁護士費用に違いが出るポイントを、解決方法、依頼内容、依頼する状況、料金の違いごとに整理して説明します。

2-1. 離婚の合意方法による違い

離婚は、

  1. 離婚協議
  2. 離婚調停
  3. 離婚裁判

のいずれかの方法で行われます※。

このうち①離婚協議は本人間で行う話し合いですが、弁護士に代理交渉を依頼することもできます。

②離婚調停は、本人間の話し合いによる解決を目指す点は離婚協議と同じですが、調停委員裁判官に間に入ってもらう制度です。

③離婚裁判は、離婚協議、離婚調停すべてが成立しなかった場合に、裁判所に訴え、最終的には裁判所の判決で解決する制度です。

②③のいずれも弁護士を立てることが可能です。まずは上記に必要な解決方法別での相談料、日当・実費を除いた、着手金、成功報酬の相場をお伝えします。

※この他、審判離婚という制度もありますが、裁判官が職権で決めるもので、ほとんど利用されていないと言われています。

① 離婚協議 

5万円~30万円。相談料以外で発生する費用は基本的に成功報酬のみです。

よって、依頼する交渉内容によって差が出る場合があります。慰謝料請求、財産分与であれば獲得した金額の10%~20%、養育費であれば1年分の養育費の10%程度、親権の獲得であればおおよそ10万円~20万円程度が相場です。

(参考記事)離婚協議書の作成方法を解説。記載事項やひな形も紹介

② 離婚調停 

40万円~60万円。着手金・成功報酬それぞれ20万~30万が相場です。

③ 離婚裁判 

60万円~90万円。離婚裁判は調停が不成立に終わった場合の次の手段です。

着手金は離婚調停をお願いした弁護士にそのままお願いする場合は10万円程度、新たな弁護士にお願いする場合は20万円~30万円です。

また、成功報酬は20万円~30万円が相場。つまり離婚裁判までいって離婚が決定した場合、離婚調停にかかる着手金に上記の費用を加えた金額が、弁護士に対してかかる費用となります。

2-2. 離婚によって得られる経済的利益による違い

前項では合意方法別に離婚が成立するかどうかのみを争点にした場合の費用の相場を解説しましたが、実際の離婚の際には、目標または獲得できた金額経済的利益といいます。)によって、それぞれ着手金と成功報酬の金額は変わります。

当然、争点が増えるほど金額はあがり、調停であっても100万円をこえることもありえるので注意しましょう。

ここでは、離婚によって得られる経済的利益の内容と、それによって発生する着手金ならびに成功報酬の金額の相場を説明します。

①財産分与

財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で築いた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。

具体的には土地や家などの不動産預貯金有価証券保険の解約返戻金などが財産分与の対象になります。この際、女性が経済力に乏しい専業主婦などだった場合は、生計を補助する目的で扶養的な財産分与がされる場合もあります。

(参考記事)離婚時の財産分与に税金はかかるの?課税される対象や金額とは

②慰謝料

浮気・不倫相手と不貞行為をしたことで夫婦関係が破たんした場合や、配偶者が精神的なダメージを受けた場合、それを金銭に換算し、その損害を償うためのお金を「慰謝料」と言います。

(参考記事)離婚慰謝料の基礎知識|原因・相場・決め方などを解説

③婚姻費用

婚姻費用とは、夫婦が共に生活を送るために必要な食費、住居費、水道光熱費、医療費、教育費などの費用のことを言います。

夫婦はそれぞれの資産や収入などのすべての事情を考慮して、この費用を分担するよう法律で定められています。離婚において婚姻費用の決定が必要になるのは、離婚までの間に別居をする期間があり、その間の費用の定めをまとめて行う場合か、過去の分も含めて離婚時に婚姻費用を清算しようとする場合です。

なお、婚姻費用の金額自体は、家庭裁判所で使用される「養育費婚姻費用算定表」を参考にしてください。

これらの金額に対して発生する着手金と成功報酬の相場は、以下のようになります。

費用成功報酬の相場
着手金目標額の3%~8%
報酬金獲得額の6%~16%
着手金と成功報酬の相場

金額が大きいと割合は下がり、獲得した金額が300万円なら着手金24万円・報酬金48万円、600万円なら着手金50万・報酬金60万程度が相場となります。

2-3. 離婚するまでの状況による違い

どのような状況の場合に弁護士に離婚交渉を依頼するべきか、というのは難しい問題です。ここでは状況別で費用にどのような違いが生まれるのかを説明します。

①はじめから弁護士に依頼する場合

はじめといってもどの時点から依頼するかで違いますが、離婚協議から交渉を依頼する場合は、本来自分たちだけでもできる交渉に代理を立てるということですから、当然費用は高くなります

しかし、調停まで持ち込まずに解決した場合は、結果的に費用を押さえることができるかもしれませんし、手間をかけず短い時間で離婚をする可能性が高まるというメリットがあります。

②途中から弁護士に依頼する場合

離婚協議や離婚調停は、基本的に話し合いの場なので、一人で進めていくことも可能です。

よって、時間があるが費用は出したくない、という場合は、自分たちで解決を試みて、それでダメだった場合の最終手段として弁護士に依頼することで、費用を押さえることなども可能になるかもしれません。

③不倫・浮気が原因

不倫・浮気が原因で慰謝料が絡む場合は、弁護士に依頼することで大きな着手金や相談料が発生します。

最終的に経済的利益を獲得できればプラスになりますので、まずは慰謝料が獲得できそうかどうか、相談するところからはじめるのが良いでしょう。

④ モラハラやDVが原因

モラハラ(モラルハラスメント)が問題の場合は、費用の問題を考えるよりも、まずは専門的知識のある第三者を挟むことが無難でしょう。

本人同士だけだと、まともに話し合いをすることが困難なケースも多い上、特にDVの被害にあっている場合は、身体的・生命的リスクを伴う危険性もあるのでなおさらです。交渉を有利に迅速に進めることが費用を下げることにつながりますので、ハラスメントの証拠を集めるようにしてください。

具体的には、詳細な経緯を記したもの、相手に言われた言葉やされたことを詳細に日記に残したもの、相手の言葉や行動を録音・撮影したもの、相手から来たメールの侮辱的言質などがそれに当たります。

2-4. オプション的な料金について

ここまで弁護士費用を占める主だった費用について触れてきましたが、上記以外にも以下のような交渉や業務を依頼する場合に追加で費用がかかるケースがあります。

主な追加費用相場
面会交流の獲得または阻止10万円~30万円
親権の獲得10万円~20万円
年金分割の獲得または減額10万円~20万円
公正証書の作成2万円~10万円
追加で費用がかかるケース

2-5. 費用について確認すべきこと

離婚にかかる費用の具体的な内訳と金額をお伝えしてきましたが、おおよその相場はあるものの、やはり弁護士事務所によって金額設定や費用の発生の仕方はまちまちです。

実際に弁護士事務所に相談される際は、相談料・着手金・成功報酬・日当・実費がどのような条件どのくらい発生するのか確認し、例外や追加料金がかからないかなど、しっかり確認することが大切です。

3. 離婚にかかる費用をおさえる方法

笑顔で電話をする女性

弁護士費用は項目も金額もケースバイで変わってきますが、金額を決める大きな要素は、

  1. 合意方法による違い
  2. 依頼内容による項目ごとの単価の違い
  3. 解決にかかる期間に応じた日当実費

の3つにわけることができると言えます。ここでは、それぞれのポイントに着目しながら費用を押さえる方法をご説明します。

3-1. 調停や裁判をスムーズに進める

離婚の可否や条件がスムーズに決まらない場合、

  1. 本人たちによる離婚協議による決定
  2. 調停委員、裁判官を交えた裁判所での離婚調停による決定
  3. 離婚裁判による裁判官の判決による決定

と進んでいきます。

このうち、離婚調停は、離婚協議を初めから行わずにいきなり申し立てることもできます。しかし、離婚裁判については必ず離婚調停を経なければなりません。

当然、より多くの段取りを経た場合、その分だけ時間お金もかかりますし、実費や日当の不安も増えます。できるだけ時間をかけずスムーズに可否や条件に合意できるかどうかが、費用を押さえるひとつのポイントになります。

また、あとから想定よりも費用が増えることを避けるためにも、

  • 事前にどのような段取りで進めるかしっかり計画する
  • 揉めそうな状況や相手の場合は、早い段階で弁護士に依頼をする

上記を検討するということが重要です。

3-2. 費用の安い弁護士を探す

弁護士への報酬金は事務所によって大きく違います。ですので、費用を押さえたいのであれば、全体的な料金設定安い事務所を探すことが一番です。

費用面を気にする場合、以下のポイントで絞り込むと検討しやすいと思います。

①できるだけ近くの弁護士を検討する

近いと、自分が事務所にいく交通費を抑えられます。

また、調停や裁判を申し立てる可能性を考えた場合、裁判所からの距離が遠いと、実費日当が発生する可能性が高くなるので、まずはできるだけ近くに事務所がある弁護士への依頼を考えましょう。

②無料相談を活用

費用を検討するためにも、離婚の進め方について弁護士と十分に打ち合わせをすることはとても重要です。

そういった相談をすることや、料金面の確認をしっかりすることを考えると、初回の相談が無料だと安心ですよね。一度、相談をすることで、相手の雰囲気姿勢も分かります。

なお、無料相談をしたからといって、必ず依頼をしなければならないわけではありません。費用面の都合や料金面で検討段階であることをはじめにきちんと伝えて、断りにくくならないようにしておくと良いでしょう。

③着手金無料を利用

着手金が無料の場合、初めに払う費用が安く済むというのが最大のメリットです。ですので、今すぐにはお金の準備が難しい場合や、相談の結果、慰謝料や財産分与である程度の経済的利益が見込める場合に活用することが多くなると思います。

また、弁護士側からみた場合「成功報酬の獲得に自信がある」「困っている人が利用しやすい料金体系にしている」という理由もあるかもしれませんが、着手金無料をうたうことで「たくさん集客できる」という理由もあるはずです。

無料相談と違って、着手金というのは弁護士の報酬金の大きな一部ですので、成功報酬を合わせて考えた場合に高くないかなど、トータルの費用をよく考えて検討することをお勧めします。

また別の見方としては、弁護士に依頼しても思った通りの結果にならないことも多々あります。それを考えると、着手金が低いことで、相対的に損をする可能性が低くなるというメリットもあるでしょう。

④料金設定を比較する

弁護士への相談を依頼する機会は一生のうちにそんなにもないでしょうから、自分の判断だけで弁護士事務所の良しあしを判断するのは難しいはずです。

ですから、2~3の事務所をピックアップして比較検討すると、判断もしやすくなるでしょう。なお、安い弁護士は腕が悪いかと不安に思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

設定している金額に比例して弁護士の能力が高いとは必ずしも限らないからです。ですので、離婚相談の経験が多いかどうか、自分が相談しやすいかどうかなどを軸に検討してみてください。

ネットで評判を検索することもできますが、口コミの絶対数が少ないのと、もともと揉め事など人には話しにくい案件を扱っている性格上、良い評判も出にくいという要素もあることも、覚えておくと良いでしょう。

3-3. 法テラスを活用する

法テラス」というのは、法的問題の解決を手助けしてくれる、法務省管轄の公的な支援センターのことです。法テラスでは無料の法律相談法的手続きの案内のほか、弁護士費用の立て替えなどを行ってくれ、支払いについては分割払いなども選択できます。

ただし、収入・資産に一定の条件などがあります。弁護士に依頼しなければ解決が難しいけれど、費用的な負担が難しい場合は、一度活用を検討してみると良いと思います。

3-4. 離婚相談ができる行政書士を活用する

行政書士とは、行政手続きに関する書類の作成提出の専門家です。離婚の際は、離婚協議書の作成や、離婚協議書を公正証書にする際のアドバイスをもらえたりします。

行政書士は、書類作成の手伝いをするという業務の性格上、離婚カウンセラーの資格を持っていたり、離婚相談を受け付けていたりする場合があります。また、報酬が弁護士に比べて安価であることもメリットの一つです。

ただし、法律の専門家ではないため、離婚調停や裁判での相手との交渉や法的手続きをすることはできません。ごく初期の相談や、費用を押さえつつアドバイスをもらって調停などは自分で進めたい場合、本人同士で話はまとまっているが、その後の取り決めが守られるようにしっかりと公文書を作成したい場合などに相談すると良いでしょう。

3-5. 自力で解決する

自力で解決することができれば、当たり前ですが弁護士費用はかかりません。ただし、申し立ての手続きや書類の作成など、手間時間はかかることになるのでその前提ならば良いでしょう。相手と争いごとが少なければ、わざわざ弁護士に頼まずとも行政書士に書類作成をしっかり依頼する程度で十分なこともあります。

また、離婚問題の解決の仕方は、協議離婚→調停離婚→裁判離婚というのが基本的な流れで、あとになればなるほど手続きのハードルがあがります。ただし、協議はもちろん、調停までご自身でされるケースも多く見受けられます。

そもそも争いごとが少ない場合や、自身で調べて相手との交渉もしっかり行う自信覚悟があるなら、自力で解決をすすめるのも一つの手だと言えるでしょう。

3-6. 弁護士費用を値切る

弁護士費用を値切ることができるかどうかは、弁護士によるとしか言いようがありません。

ただ、弁護士も不当に高い金額を設定しているわけではありません。やみくもに値切るのではなく、その金額になる根拠をしっかりと聞き、自分の予算をふまえた上でいくつかの弁護士事務所を比較し、金額や項目など、具体的な相談をするのが得策でしょう。

また、調停や裁判の対応をお願いすることになる場合、1回で決着できず裁判所まで何回も同行をお願いすることになるとすると、日当などの費用が高くなりがちです。そういったことが想定できる場合は、日当の合計額に上限を設定するとか、何度裁判に同行してもらっても一定額してもらうなど、費用が想定以上に高くならないよう相談することができれば、メリットが大きいでしょう。

3-7. 離婚後に費用分をしっかり回収する

直接的に費用を押さえるわけではありませんが、離婚によってもらう必要があるお金をしっかりと受け取ることも、費用を抑えることと同等に大事なことと言えます。

①慰謝料や財産分与

離婚の手続きを通じて、慰謝料や財産分与などの経済的利益をあてにできる場合は、弁護士費用を利益でペイすることも可能です。ただし、希望通りに決着することが難しい場合もありますので、得られる利益の見込みによってどこまで費用をかけるかは検討するべきでしょう。

②離婚後に受け取るお金

結婚後の生活の扶助としての扶養的財産分与や、子供のための養育費など、離婚後にもらえることになるお金もあります。これらも経済的利益として成功報酬の対象になることがありますので、離婚後にこういったお金をしっかり受け取れるようにすることも大事なことです。

そのためにはまず、相手が支払わなかった場合に法的な強制力をもった書面を作成しておくことが必要です。調停や裁判で内容が決定した場合は、調停調書や判決書がそれにあたるためそもそも大丈夫ですが、本人たちの間で離婚協議書を作成した場合は、これを強制執行許諾文言付き公正証書にしておく必要があります。

これによって、万が一支払いがなかった場合にも法的な「強制執行」という措置で裁判所を通じて支払わせることが可能になるためです。ただし、強制執行といっても、日本の法律では相手から100%支払いを受け取れるとは限らず、逃げられるケースも結構あります。

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4. 離婚に強い弁護士の探し方

法的相談にのる女性弁護士

費用について理解しても、いざお願いしようと思ったときに、実際にどのような弁護士に依頼するべきか、どうやって頼れる弁護士を探せばよいのかがよくわからない方は多いと思います。

また、費用が安い弁護士でも大丈夫なのか不安に思う方もいるでしょう。ここでは参考までに、当サイトが考える良い弁護士の探し方をご紹介します。

4-1. 離婚問題に強い弁護士とは

弁護士に持ち込まれる依頼の種類は様々ですが、実は「○○専門」という領域は存在しません

「離婚専門」を売りにした弁護士事務所を見かけることもあると思いますが、離婚案件は数が多く、集客のためにそううたっているケースが多いので「専門」をうたっているから良いとは限りません。ただし、離婚案件の取り扱いが多いことは重要ですので、一般民事事件家事事件を主に扱っている弁護士事務所が良いでしょう。

有名事務所が良いかというとそうとは限りません。自分の案件を扱ってくれる弁護士は一人ですので、担当弁護士がどのような人であるのかが重要です。

結論としては、依頼を検討している弁護士の「解決事例」「実務経験年数」「人柄」で総合的に判断するのが良いでしょう。

また、複数の案件を同時に扱っていることもあるので、自分の案件にしっかり力を入れてくれるかどうか、反応が早いかどうかも気になります。

あとは、やはり実際に会って、具体的丁寧に話をしてくれるか相談がしやすいかどうかなどを確認してご自身で判断しましょう。また、弁護士の多くは個人ブログを運営していることが多いようです。実際に会う時間がない場合は、ブログを参考にしてみるものいいでしょう。

4-2. ネットで探す

インターネットであれば、お手軽に弁護士を探すことが可能です。

たとえば「ココナラ法律相談」では、エリアで調べて料金や事例などを閲覧することができます。「弁護士ドットコム」や「離婚弁護士ナビ」など一括検索サイトでも、同様に検索が可能です。

個人の事務所が多いと思いますが、前述したように事務所も大事ですが誰に頼むかがポイントになるので、個人だから良い悪いということはありません。「離婚 弁護士 エリア名」などで検索すると表示される中堅~大手の弁護士事務所もあると思いますが、一括検索サイトとはまた傾向が違います。

一つの調べ方にとらわれず、一括検索サイトで1~2ヶ所、中堅事務所で1~2ヶ所というような調べ方をする方が、偏った判断をせずに済む可能性が上がるかもしれません。

4-3. ツテや紹介に頼る

もし知り合いに離婚問題の解決を弁護士に頼んだことがある方がいた場合、紹介してもらうのも一つの手です。

ネット上の情報や口コミよりも確実な実例が聞けますし、弁護士の心理的にも、紹介をされたお客様の方がより丁寧に対応しなければならないと思うものです。それでも時間があるのであれば、紹介だからといって一つの事務所に決めず、ネットで調べた事務所と比較検討して判断することをお勧めします。

5. 支払いに関する注意点

チェックポイント

弁護士費用は金額も高額になることがあるため、支払いのときに金額をめぐってトラブルになることがないように、注意点をご説明します。

5-1. いつ支払いがあるのか確認する

弁護士費用には相談料、着手金、成功報酬、日当と実費があることを説明しましたが、事前にそれぞれの費用がいつ発生するのかを確認しておくようにしましょう。

特に、調停と裁判を一緒に依頼する予定の場合は、それぞれを別の手続きとして請求する弁護士事務所もありますので、事前の確認は必須です。

また、離婚の可否だけでなく、慰謝料や親権の獲得などを依頼する場合も、いつ費用の支払いが発生するのか、事前に必ず確認しましょう。なお、各費用の一般的な支払いのタイミングは以下の通りです。

費用支払いのタイミング
相談料相談が終わった後すぐ
着手金仕事を依頼した際
成功報酬・実費・日当依頼内容が終わった後
各費用の一般的な支払いのタイミング

5-2. 弁護士費用を共有財産から支払えるか

離婚する際に、婚姻中に築いた夫婦共有の財産は夫婦で平等に分けることになりますが、この財産は「共有財産」です。弁護士費用を共有財産から支払ってしまうと、財産分与の際にその分だけ差し引かれることがあるので、注意しましょう。

また、相手に黙って支払うと揉め事になる場合がありますので、事前に了解を得ておく方が無難でしょう。

5-3. 弁護士費用で後悔しないための注意

そのほか、費用に関する注意点には以下のような内容があります。

  • 調停や裁判などで弁護士の仕事の回数が増えると日当や実費が増える
  • 費用の基本的な内容と相場を事前に理解し、割高でない弁護士事務所を選ぶ
  • 高額な請求をされないために不明確なことははっきり聞いておく
  • いずれも、あとから思っていたよりも高額を請求された、とならないよう、費用項目別支払いの金額タイミングを明確にしておく

5-4. 弁護士費用の分割払いについて

弁護士費用は大きな金額になるので、支払いが無理だとあきらめている方もいると思いますが、一括での支払いが難しくても、以下の方法で分割払いにすることも可能です。

①弁護士事務所に相談

特に着手金は分割払いを相談できる場合があります。ただし、着手金を分割にした場合、成功報酬が増える場合などもありますのでよく確認してください。

②法テラスを活用する

所得や財産などが一定の条件をクリアしていれば、法テラスにいったん立替払いをしてもらい、あとから法テラスに分割で支払うという方法もあります。

事件が終わった後、原則3年以内に支払いが終わるよう、月々返済すればOKで、利息もないので安心です。

5-5. 離婚後の生活にも備えを

離婚時に弁護士に依頼する費用を考える際は、その後の生活にかかる費用見込める収入も、まとめて検討すると良いでしょう。それを踏まえて、どのくらいの費用をかけて、どのような交渉をするべきかを決めましょう。

離婚を検討したり、その後の生活の準備をするのは大変なことだと思いますが、住居や光熱費などの生活費を見積もって、各種の助成金支援金の利用ができないのかを調べたり、今のうちから出費を減らして離婚に備えた貯金をしたり、相手から支払いをしっかり受け取る対策をするなど、できる限りの準備をして、離婚後の生活に備えましょう。

(参考記事)母子家庭が使える手当や補助ってなに?手当と申請方法を紹介

(まとめ)依頼をする場合は、何を求めるかを明確にしましょう。

スマホで情報収集する人

本人間で解決できる場合も同じですが、離婚に際して弁護士に依頼して相手と争わなければならない場合、何を求めるかをしっかり定めておくのは重要なことです。

それによって、手段と費用が変わってきますし、わざわざ弁護士に頼む必要がないという判断ができる場合もあるでしょう。離婚を成立させるには心身とも負担が大きいと思いますが、離婚手続きやその後の生活についてしっかり考えて、スムーズに離婚ができるよう準備を進めていきましょう。


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