更新日: 2022.12.09
公開日:2021.08.10
離婚にかかる弁護士費用の種類や相場は?徹底解説

いざ離婚を考えたときに、弁護士に相談しようと考える人は多いと思いますが、費用が高いイメージがあり、不安に思うことはありませんか?
弁護士は法律問題のプロですので、離婚の争いごとを解決するためには頼もしい味方です。しかし、いざ依頼するとなったときは、なるべく割高なお金を支払わなくて済むよう賢い選択をしたいですよね。
弁護士費用は自由化されており、弁護士や事務所によって違いがあるため、どのような費用がいくらかかるのかなど、離婚の相談をする前に、最低限のことは調べておいたほうが良いでしょう。
ここでは離婚の際の弁護士費用で後悔しないために、費用の相場や、賢い弁護士の選び方、費用を抑える方法などをまとめてご紹介いたします。
1. 離婚にかかる弁護士費用の種類

離婚にかかる弁護士費用のおおよその相場は、30万円~110万円くらいです。
しかし、弁護士に依頼する場合の費用は、平成16年4月より自由化されています。弁護士事務所によって報酬金の設定内容が異なるため、正しく相場を把握していないと、
- 「依頼している弁護士事務所の費用が相場よりも高かった」
- 「相場より多い金額を支払っていたことに後で気が付いた」
ということになってしまうかもしれません。
ここでは、そもそも弁護士費用にはどのような種類があるのか、またそれぞれの弁護士費用の種類に応じた相場をご説明します。
弁護士費用は大きく分けて
- 相談料
- 着手金
- 成功報酬
- 日当・実費
- その他オプション的な料金
の5つです。それぞれの内容は以下の通りです。
1-1. 相談料
相談料は、弁護士に相談する際に必要な費用です。
相場は1時間5,000円~1万円くらいですが、相談料を無料にしている弁護士や事務所も多いようです。
無料の場合は気軽に相談できますが、一度相談するとそのあと断りにくく感じるもの。本当に依頼するかどうかはそのあとしっかり判断しましょう。
1-2. 着手金
着手金は、実際に調停などを依頼する際にかかる費用です。希望通りの内容で調停や裁判が成立したかどうかは関係なく、基本的に弁護士への依頼時に発生します。
離婚の成立のみを目的とした場合は10万円~30万円くらいです。
この他に、財産分与や慰謝料など、離婚に伴う金銭的な請求がある場合は、別途目標とする金額の3~8%程度が必要になります。
1-3. 成功報酬
成功報酬は、依頼した問題が解決したときに払う費用で「報酬金」とも呼びます。
どのような結果に対していくら払うのかは、弁護士や依頼内容によって異なりますが、財産分与や慰謝料がなく、離婚の成立のみを目的とした場合の相場は20万円~30万円くらいです。
また、財産分与や慰謝料など、もらえる金額を結果とする場合は、これに加えて、そのうちの5~15%を成功報酬として支払うのが相場です。
弁護士費用の中では割合の大きな費用ですし、条件によって金額も大きく変わるため、依頼する際はよく相談・確認しましょう。
1-4. 日当・実費
◇日当
日当は、裁判所が遠い場合や、出張を伴う対応など、弁護士が事務所を離れて行う業務に対して支払う費用で、半日または一日単位の金額で支払います。
相場は1日で2万円~5万円程度ですが、弁護士事務所や契約内容によって違いも大きいようです。
◇実費
実費は、調停や訴訟の申し立てに必要な収入印紙代や手数料のほか、対応にあたって発生した交通費、宿泊費、郵便物の郵送料などの実際にかかった費用などが含まれます。
なお、裁判所への申し立てに必要な収入印紙や手数料は、申し立ての内容によって異なり、大体2,000~8,000円くらいの範囲です。
1-5. その他オプション的な料金
ここまで弁護士費用を占める主立った費用について触れてきましたが、上記以外にも以下のような交渉や業務を依頼する場合に追加で費用がかかるケースがあります。
- 面会交流の獲得または阻止:10万円~30万円
- 年金分割の獲得または減額:10万円~20万円
- 親権の獲得:10万円~20万円
- 公正証書の作成:2万円~10万円
まとめると、以下のようになります。
弁護士費用の種類 | 相場 |
---|---|
相談料 | 1時間5,000円~1万円程度 |
着手金 | 10万円~30万円程度 |
成功報酬 | 20万円~30万円程度 |
日当/実費 | 1日2万円~5万円程度/大体2,000~8,000円程度 |
その他オプション的な料金 | オプションの内容による |
合計 | 375,000円~780,000円程度 ※相談を3回し、日当が3日分発生した場合 ※日当/実費・その他オプションを除く |
2. 弁護士費用の相場①《離婚方法別》

離婚は、①離婚協議 ②離婚調停 ③離婚裁判 のいずれかの方法で行われますが、離婚の合意方法によってもかかる弁護士費用は異なってきます。
ここでは、離婚方法別に相談料、着手金、成功報酬を合わせた弁護士費用の相場をお伝えします(※日当・実費を除く)。
2-1. 離婚協議
離婚協議は本人間で行う話し合いですが、弁護士に代理交渉を依頼することもできます。
その際の弁護士費用の相場は5万円~30万円です。相談料以外で発生する費用は基本的に成功報酬のみです。
よって、依頼する交渉内容によって差が出る場合があります。
- 慰謝料請求、財産分与であれば獲得した金額の10%~20%
- 養育費であれば1年分の養育費の10%程度
- 親権の獲得であればおおよそ10万円~20万円程度
が相場です。
2-2. 離婚調停
離婚調停は、本人間の話し合いによる解決を目指す点は離婚協議と同じですが、調停委員と裁判官が本人達の間に入り各々の言い分を調整して解決を図る制度です。
調停の際には、自身の希望する条件の提示や状況説明を代弁する役割として、弁護士を立てることが可能です。
その際にかかる弁護士費用の相場は40万円~60万円となり、着手金・成功報酬それぞれ20万円~30万円ほどが相場となります。
2-3. 離婚裁判
離婚裁判は、離婚協議、離婚調停すべてが成立しなかった場合に、裁判所に訴え、最終的には裁判所の判決で解決する制度です。
その際にかかる弁護士費用の相場は60万円~90万円となります。
離婚裁判は調停が不成立に終わった場合の次の手段です。着手金は離婚調停をお願いした弁護士にそのままお願いする場合は10万円程度、新たな弁護士にお願いする場合は20万円~30万円です。 また、成功報酬は20万円~30万円が相場です。
つまり、離婚裁判までいって離婚が決定した場合の弁護士費用は、離婚調停にかかる着手金に上記の費用を加えた金額となります。離婚裁判の際も、弁護士を立てることが可能です。
3. 弁護士費用の相場②《離婚で得られる経済的利益別》

離婚の際には、財産分与や婚姻費用、慰謝料など、経済的利益を受けるケースがあります。
離婚時に経済的利益を受けられるよう弁護士に依頼をする場合、その分弁護士費用が発生することになりますが、目標獲得額または実際に獲得できた金額によって、それぞれ着手金と成功報酬の金額は変わります。
離婚によって得られる経済的利益よって発生する着手金ならびに成功報酬の金額の相場は、以下のようになります。
- 着手金:目標額の3%~8%
- 報酬金:獲得額の6%~16%
また、金額が大きいと割合は下がります。例えば、
- 獲得した金額が300万円なら、計72万円(着手金24万円/報酬金48万円)
- 獲得した金額が600万円なら、計110万円(着手金50万円/報酬金60万円)
が相場となります。
当然、争点が増えるほど金額はあがり、調停であっても100万円を超えることもありえるので注意しましょう。
受ける可能性がある経済的利益は、以下のようなものがあります。
主な経済的利益 | 費用の説明 | 補足 |
財産分与 | 婚姻生活中に夫婦で築いた財産を、離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配すること (土地や家などの不動産、預貯金や車、有価証券、保険の解約返戻金などが対象) | 女性が経済力に乏しい専業主婦などだった場合は、生計を補助する目的で扶養的な財産分与がされる場合もある |
慰謝料 | 浮気・不倫相手と不貞行為をしたことで夫婦関係が破たんした場合や、配偶者が精神的なダメージを受けた場合、それを金銭に換算し、その損害を償うためのお金 | – |
婚姻費用 | 夫婦が共に生活を送るために必要な食費、住居費、水道光熱費、医療費、教育費などの費用のこと (夫婦はそれぞれの資産や収入などのすべての事情を考慮して、この費用を分担するよう法律で定められている) | 離婚において婚姻費用の決定が必要になるのは下記の場合 ・離婚までの間に別居をする期間があり、その間の費用の定めをまとめて行う場合 ・過去の分も含めて離婚時に婚姻費用を清算しようとする場合 |
4. 弁護士費用の相場③《離婚するまでの状況別》

離婚するまでの状況によっても、弁護士費用に違いが出てきます。どのような状況の場合に弁護士に離婚交渉を依頼するべきか、というのは難しい問題です。
ここでは離婚するまでの状況別で、費用にどのような違いが生まれるのかを説明します。
4-1. はじめから弁護士に依頼する場合
離婚協議から交渉を依頼する場合は、本来自分たちだけでもできる交渉に代理を立てるということですから、当然費用は高くなります。
しかし、調停まで持ち込まずに解決した場合は、手間をかけず短い時間で離婚できるメリットがあります。そのため、結果的に費用を抑えることができる可能性が高まります。
4-2. 途中から弁護士に依頼する場合
離婚協議や離婚調停は、基本的に話し合いの場なので、当事者だけで進めていくことも可能です。
よって「時間があるが費用は出したくない」という場合は、自分たちで解決を試みて、それでダメだった場合の最終手段として弁護士に依頼することで、ある程度の費用を抑えることができるかもしれません。
4-3. 不倫・浮気が原因で離婚をしたい場合
不倫・浮気が原因で慰謝料が絡む場合は、弁護士に依頼することで大きな着手金や相談料が発生します。
一時的な負担はありますが、最終的に経済的利益を獲得できればプラスになりますので、まずは慰謝料が獲得できそうかどうか、相談するところから始めるのが良いでしょう。
4-4. モラハラ・DVが原因で離婚をしたい場合
モラハラ(モラルハラスメント)が問題の場合は、費用の問題を考えるよりも、自分や子どもの安全を第一に考えましょう。
専門的知識のある弁護士や行政の相談窓口などといった第三者を挟み、一刻も早い解決を試みます。交渉を有利に迅速に進めることが、弁護士費用を下げることに繋がりますので、まずはハラスメントの証拠を集めるようにしましょう。
本人同士だけで解決を試みようとしても、まともに話し合いをすることが困難なケースが非常に多く、DVの被害にあっている場合は、身体的・生命的リスクを伴う危険性もあります。必ず第三者を挟んで離婚手続きを進めるようにしましょう。
ハラスメントの証拠にあたるものには、以下のようなものがあります。
- 詳細な経緯を記したもの
- 相手に言われた言葉やされたことを詳細に残したもの
- 相手の言葉や行動を録音・撮影したもの
- 相手から来たメールの侮辱的言質 など
5. 離婚にかかる弁護士費用をおさえる方法

弁護士費用は項目も金額も状況によって変わってきますが、出来るだけ負担は軽くしたいですよね。
ここでは、弁護士費用を抑える方法をご説明します。
5-1. 調停や裁判をスムーズに進める
離婚条件は、
- 本人たちによる離婚協議による決定
- 協議で決まらなければ、調停委員・裁判官を交えた離婚調停による決定
- 調停で決まらなければ、離婚裁判による裁判官の判決による決定
と進んでいきます。
離婚協議の段階から弁護士に依頼しており、折り合いがつかず裁判まで進んだ場合、当然その分だけ時間もお金もかかりますし、実費や日当の不安も増えます。できるだけ時間をかけずスムーズに可否や条件に合意できるかどうかが、費用を抑えるひとつのポイントになります。
また、あとから想定よりも費用が増えることを避けるためにも、
- どのような段取りで進めるか、事前にしっかり計画する
- 揉めそうな状況や相手の場合は、早い段階で弁護士に依頼をする
上記を検討することが重要です。
5-2. 条件のいい弁護士を探す
弁護士の費用は事務所によって大きく違います。
ですので、費用を抑えたいのであれば、全体的な料金設定が安い事務所や、日当や交通費が抑えられそう、などといった条件が自分に合っている事務所を探すことが一番です。
費用面を気にする場合、以下のポイントで絞り込むと検討しやすいと思います。
ポイント | メリット |
できるだけ近くの弁護士を検討する | ・自分が事務所に良く交通費を抑えられる ・調停、裁判に進む場合、弁護士の日当や交通費を抑えられる |
無料相談を活用する | ・離婚の進め方を十分に打合せすることができる ・依頼前に料金面の確認をすることができる ・弁護士事務所の雰囲気や依頼人に対する姿勢がわかる |
着手金無料を利用する | ・初めに払う費用が安く済むため、初期費用の工面が難しい場合でも依頼できる ・思った通りの結果にならなかった場合でも、相対的に損をする可能性が低くなる ※解決後に発生する成功報酬額と比較し、トータル費用が高くならないかをよく考えて検討するべき |
複数の事務所の料金設定を比較する | ・自身の状況で離婚をする場合の弁護士費用の相場がわかる ・弁護士費用について後悔することを減らせる |
5-3. 法テラスを活用する
「法テラス」とは、法的問題の解決を手助けしてくれる、法務省管轄の公的な支援センターのことです。
この法テラスでは、無料の法律相談や法的手続きの案内のほか、弁護士費用の立て替えを行っています。この制度は、発生した弁護士費用を法テラスに立替払いをしてもらい、あとから法テラスに返済するというものです。なお、法テラスへの返済は、分割払いなども対応しています。
事件が終わった後、原則3年以内に支払いが終わるよう、月々返済すればOKで、利息もないので安心です。
立替制度を利用するには、収入・資産に一定の条件があり、これをクリアしている必要があります。「離婚したいけど弁護士に依頼しなければ解決が難しい、でも弁護士費用が払えない」とお悩みの方は、一度相談してみると良いでしょう。
5-4. 離婚相談ができる行政書士を活用する
行政書士とは、行政手続きに関する書類の作成や提出の専門家です。
離婚の際は、離婚協議書の作成や、離婚協議書を公正証書にする際のアドバイスをもらえたりします。行政書士は、書類作成の手伝いをするという業務の性格上、離婚カウンセラーの資格を持っていたり、離婚相談を受け付けていたりする場合があります。
また、報酬が弁護士に比べて安価であることもメリットの一つです。ただし、法律の専門家ではないため、離婚調停や裁判での相手との交渉や法的手続きをすることはできません。
- ごく初期の相談の場合
- 費用を抑えつつアドバイスをもらって調停などは自分で進めたい場合
- 本人同士で話はまとまっているが、その後の取り決めが守られるようにしっかりと公文書を作成したい場合
などに相談すると良いでしょう。
5-5. 自力で解決する
自力で解決することができれば、当たり前ですが弁護士費用はかかりません。
ただし、申し立ての手続きや書類の作成など、手間と時間はかかることになるのでその前提ならば良いでしょう。相手との争いごとが少なければ、わざわざ弁護士に頼まずとも行政書士に書類作成をしっかり依頼する程度で十分なこともあります。
また、離婚問題の解決の仕方は、協議離婚→調停離婚→裁判離婚というのが基本的な流れで、あとになればなるほど手続きのハードルが上がります。ただし、協議はもちろん、調停まではご自身でされるケースも多く見受けられます。
- そもそも争いごとが少ない場合
- 相手との交渉や準備も自身でしっかり行う自信と覚悟がある場合
であれば、自力で解決を進めるのも一つの手だと言えるでしょう。
5-6. 弁護士費用を値切る
弁護士費用を値切ることができるかどうかは、弁護士によるとしか言いようがありません。弁護士も不当に高い金額を設定しているわけではないのです。
ただやみくもに値切るのではなく、その金額になる根拠をしっかりと聞き、自分の予算をふまえた上でいくつかの弁護士事務所を比較し、金額や項目など、具体的な相談をするのが得策でしょう。
また、調停や裁判の対応をお願いすることになる場合、1回で決着できず裁判所まで何回も同行をお願いすることになるとすると、日当などの費用が高くなりがちです。
そういったことが想定できる場合は、
- 日当の合計額に上限を設定する
- 何度裁判に同行してもらっても一定額してもらう
など、費用が想定以上に高くならないよう相談することができれば、メリットが大きいでしょう。
5-7. 離婚後に費用分をしっかり回収する
直接的に費用を抑えるわけではありませんが、
- 慰謝料
- 財産分与
- 婚姻費用
など、離婚によってもらう必要があるお金をしっかりと受け取ることも、費用を抑えることと同等に大事なことと言えます。
これら経済的利益をあてにできる場合は、弁護士費用を利益でペイすることも可能です。ただし、希望通りに決着することが難しい場合もありますので、得られる利益の見込みによってどこまで費用をかけるかは検討するべきでしょう。
なお、結婚後の生活の補助としての扶養的財産分与や、子供のための養育費など、離婚後にもらえることになるお金もあります。
これらも経済的利益として成功報酬の対象になることがありますので、離婚後にこういったお金をしっかり受け取れるようにすることも大事です。
そのためにはまず、相手が支払わなかった場合に備えて法的な効力をもった書面を作成しておくことが必要です。調停や裁判で内容が決定した場合は、調停調書や判決書がそれにあたるためそもそも大丈夫ですが、本人たちの間で離婚協議書を作成した場合は、これを強制執行認諾文言付きの公正証書にしておく必要があります。
これによって、万が一支払いがなかった場合にも法的な「強制執行」という措置で裁判所を通じて支払わせることが可能になるためです。
ただし、強制執行といっても、日本の法律では相手から100%支払いを受け取れるとは限らず、逃げられるケースも結構あります。養育費に関しては「養育費保証」を利用することで、未払いに備えることができます。
6. 費用を支払う際の注意点

弁護士費用は金額も高額になることがあるため、支払いのときに金額をめぐってトラブルになることがないように、注意点をご説明します。
6-1. いつ支払いがあるのか確認する
弁護士費用には相談料、着手金、成功報酬、日当と実費があることを説明しましたが、それぞれの費用がいつ発生するのかを事前に確認しておくようにしましょう。
特に、調停と裁判を一緒に依頼する予定の場合は、それぞれを別の手続きとして請求する弁護士事務所もあるので、事前の確認は必須です。
また、離婚の可否だけでなく、慰謝料や親権の獲得などを依頼する場合も、いつ費用の支払いが発生するのか、事前に必ず確認しましょう。
なお、各費用の一般的な支払いのタイミングは以下の通りです。
- 相談料:相談が終わった後すぐ
- 着手金:仕事を依頼したとき
- 成功報酬・実費・日当:依頼内容が終わったあと
6-2. 弁護士費用を一括で支払えない場合
弁護士費用は大きな金額になるので、支払いが無理だからと諦めている方もいると思います。
ですが、一括払いが難しい場合でも、弁護士事務所によっては柔軟に対応してくれる場合があります。
例えば、
- 弁護士費用を分割払いに変更
- 弁護士費用の支払いタイミングの調整
- 弁護士費用を獲得した経済的利益から支払う
などです。
なお、弁護士費用(特に着手金)の分割払いを相談した場合、成功報酬での支払いが増える場合などがあるので、事前に確認しましょう。
また、それでも厳しい場合は、
- 法テラスの費用の立替え制度
を検討しましょう。
立替えを受けるためには、所得や財産など一定の条件があります。事前に法テラスへ相談をしておくと良いでしょう。
6-3. 弁護士費用を共有財産から支払えるかを確認する
離婚する際に、婚姻中に築いた夫婦共有の財産は夫婦で平等に分けることになりますが、この財産は「共有財産」です。
弁護士費用を共有財産から支払ってしまうと、財産分与の際にその分だけ差し引かれることがあるので、注意しましょう。
また、相手に黙って支払うと揉め事になる場合がありますので、事前に了解を得ておく方が無難でしょう。
6-4. 弁護士費用で後悔しないための注意
そのほか、費用に関する注意点には以下のような内容があります。
- 調停や裁判などで弁護士の仕事の回数が増えると日当や実費が増える
- 費用の基本的な内容と相場を事前に理解し、割高でない弁護士事務所を選ぶ
- 高額な請求をされないために不明確なことははっきり聞いておく
いずれも、あとから思っていたよりも高額を請求された、とならないよう、費用項目別に支払いの金額とタイミングを明確にしておくことが重要です。
(まとめ)依頼をする場合は、何を求めるかを明確にしましょう。

本人間で解決できる場合も同じですが、離婚の際に弁護士に依頼をして相手と争わなければならない場合、相手に何を求めるかをしっかり定めておくことが大切です。
求める金銭や条件によって、解決手段と弁護士費用が変わってきますし、わざわざ弁護士に頼む必要がないという判断ができる場合もあるでしょう。
離婚を成立させるには心身とも負担が大きいと思いますが、離婚手続きやその後の生活についてしっかり考えて、スムーズに離婚ができるよう準備を進めていきましょう。