2020.07.20

「性格の不一致」で離婚する方法|慰謝料や進め方について解説

背を向けあう男女

<最終更新日 2020年11月16日>

性格の不一致を理由に、一方的に離婚はできるのでしょうか。

一度、性格の不一致を感じてしまうと、相手の嫌なところばかり気になって、そもそも結婚は失敗だった、という気持ちになってしまう方は多いはず。

この記事では、性格の不一致による離婚理由のよくある例と解消方法を紹介しながら、離婚のスムーズな進め方や、いざという時のために知って考えておきたい慰謝料や養育費についてご説明します。


~ この記事の監修 ~

渡邊弁護士

わたしのみらい法律事務所
弁護士 渡邊 未来子
弁護士登録後に保育士資格を取得。養育費保証制度の相談会やセミナー、子ども食堂支援等を通じて、ひとり親家庭の支援活動を行っている。

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1. 離婚理由によくある「性格の不一致」とは

緑の上に二つ並んだブランコ

日本における夫婦の離婚原因で最も多いのは、「性格の不一致」です。

よく耳にする言葉ではありますが、どんなことが「性格の不一致」に当てはまるのか具体的にイメージできる人は少ないのではないでしょうか。

性格が示す言葉の意味は実に幅広くあいまいなもの。明確な定義はありません。

離婚理由がはっきりしないけれども、これ以上一緒に生活をすることは難しいという場合に、「性格の不一致」が離婚理由として扱われることが多くあります。

2. 離婚理由につながる、良くあるケース

背を向けあう男女のミニチュア

価値観や考え方が違うことで衝突するケースや、生活時間帯のズレによるコミュニケーション不足でうまくいかなくなるケースなど、「性格の不一致」に当てはまる離婚理由は多岐に渡ります。

ここでは「性格の不一致」に該当する具体例にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

2-1. 喧嘩が多い

お互いの性格や生活習慣などの違いから、喧嘩が絶えない夫婦も珍しくありません。

喧嘩がコミュニケーションになっているようなカップルもいるかもしれませんが、あまりに多ければ、共同生活にも支障が出るはず。

喧嘩が多いということは、夫と妻の性格が合わず、それが我慢できないことの現れかもしれません。

2-2. 金銭感覚が異なる

無駄遣いが多かったり、借金を繰り返したりする相手だと、家計にも影響が出かねません。

たとえ今は生活費に困っていなかったとしても、相手の浪費癖や借金の程度がひどい場合は、将来への不安から離婚を考えることもあるでしょう。
男と女でお金を使う目的は違う傾向がありますが、無駄遣いをする理由が、どうしても理解できない場合もあるかもしれません。

金銭感覚は個人の価値観のひとつですので、金銭感覚のズレも性格の不一致のひとつとなります。

2-3. どちらかが相手に合わせている

いくら夫婦でも元は他人ですから、価値観や考え方にズレはつきものです。

話し合いやコミュニケーションで解決できることが理想ですが、そうはいかない夫婦も珍しくありません。

特にどちらか一方が相手に合わせて我慢をしている場合は、それが続かず離婚につながってしまうこともあります。

関係を壊したくないがために無理に相手に合わせることを続けていると、心も体も疲れてしまい、最終的に結婚生活の維持が難しくなる場合もあるでしょう。

3. 不一致を解消する方法

瓶に入ったハートを挟む♂♀

性格の不一致に該当する問題が夫婦間に生じたとしても、すべての夫婦が離婚するわけではありません。

つまり、性格の不一致が離婚につながるかどうかは、夫婦次第の部分があります。見方を変えれば離婚を避けられる可能性もあるのです。

性格の不一致がある場合に、解消の可能性を作る方法について紹介します。

3-1. 歩み寄る努力をしてみる

婚姻生活を続けるためには、お互いに妥協しあうことも大切です。

今は相手の嫌なところで頭がいっぱいだったとしても、時間が経てば気にならなくなることもあるかも知れません。

少し冷静になってみて、自分が変われるところや変わってもいいかなと思えるところを考えてみましょう。

それを試してから離婚を考えてみても遅くはないはずです。

3-2. 何が不満かを話し合う

どんな夫婦でも相手に何らかの不満を抱えているものです。

しかし、不満があっても離婚しない夫婦はいます。
この違いは、お互いの不満に対して解決を目指しているかがポイントとなります。

不満を感じたときは早めに相手に伝えることを心がけ、不満が大きくならないようにコントロールしましょう。

伝えることで、性格の不一致によるトラブルが解消できたり、トラブルになったとしても解決して致命的にならないこともあります。

3-3. 価値観は違うものと理解する

生まれも育ちも違うわけですから、夫婦の間で違いがあるのは当たり前です。
全く同じ価値観を持つ人間に出会えること自体が珍しいといえます。

たとえば、夫が大事にコレクションしているプラモデルがあるとします。
もちろん妻側としては、共同生活者である夫が際限なくお金をつぎ込むことは認められません。

であれば、1ヵ月間で趣味に使っても大丈夫な金額を、夫婦で事前に決めておく方法はどうでしょうか。

夫が大切にしている趣味を尊重して、多少の出費は認めてあげるという提案です。

このようにお互いの価値観の違いを認めた上で理解し、可能な範囲で共感してあげると、関係の悪化を回避することができる場合があります。

4. 性格の不一致が原因で離婚することは可能か

赤いYesと青いNoの文字

性格の不一致を解消しようとしても歩み寄りができず、一緒の生活が無理と思うに至った場合、離婚を考えることになるでしょう。

性格の不一致が原因による離婚の場合、夫婦の間で離婚に対する同意があるのかがポイントになります。

4-1. お互いの同意がある場合

夫婦ともに離婚に対して同意をしている場合は、性格の不一致を理由に離婚することができます。

なぜなら、離婚に同意しない相手に、法的に離婚を強制しようとする場合には、その法的な根拠が離婚理由として求められますが、夫婦の話し合いによる離婚は協議離婚として扱われ、法的な強制によるものではないので、離婚の法的な根拠も、合意の他には求められないからです。

したがって離婚に対してお互いに合意できていれば、離婚理由が性格の不一致でも問題ないということになります。

4-2. 一方的に切り出して相手が同意しなかった場合

相手の同意が得られない場合は、話し合いで離婚することが難しいため、家庭裁判所で調停や裁判を行うことになります。

調停でも、離婚について相手の同意が得られなければ裁判(訴訟)となります。

裁判では、離婚するという判決が出れば相手の意思にかかわらず強制的に離婚が成立しますので、法的な離婚理由が求められます。民法では、以下の5つの原因を定めています。

  1. 相手に不貞な行為があったとき
  2. 相手から悪意で遺棄されたとき(家出して生活の面倒も見ない等)
  3. 相手が3年以上生死不明なとき
  4. 相手が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき。

性格の不一致は、まず、1から4の離婚理由には当てはめられません。

また、5についても、同じような性格でなくても、婚姻生活自体は継続することもありますので、婚姻生活を強制的に終了させるほどの性格の不一致である、と実際に裁判所が判断することは難しく、結局、それだけで基本的に法的な離婚理由として認められることはあまりありません。

ただし性格の不一致がきっかけとなり、どちらかが以上に挙げた1から4の離婚理由となる行為をした場合などは認められる場合があります。

ほかにも、性格の不一致が原因で、長期間別居しており、今から同居して婚姻生活を送るのはもう難しい、つまり、夫婦関係が破綻していると判断できる場合も、裁判で離婚が認められることになります。

5. 性格の不一致が原因で離婚となる場合の慰謝料

白い電卓を叩く手

性格の不一致で離婚した場合、その理由だけでは、原則として慰謝料の請求ができません。

なぜならそもそも慰謝料は、法に反する行為をしたから、それによって与えた損害について責任を負うという形で支払われるものだからです。

お互いに性格が合わなかったとしても、その性格自体は、これまでのお互いの人生の積み重ねで作られていくものです。
法に反するとして、その性格自体に責任を負わせることはできません。

お互いの性格が一致しないといういことは、どちらのせいともいえませんから、慰謝料も発生しないということになります。

5-1. 慰謝料が支払われる場合とそうでない場合

基本的に性格の不一致の場合は慰謝料を請求できませんが、例外もあります。

代表的なケースとして、2つの例を紹介します。

<相手が慰謝料を支払うことに同意した場合>

これまでお伝えした理由から、裁判では長期間の別居等で離婚自体が認められたとしても、慰謝料を支払うように、という判決までは出ないことになりますが、慰謝料を支払ってはいけないという判決も出るわけではありません。

また、協議離婚や調停離婚、さらには一度裁判になっても、判決の前に和解してまとまる離婚については、裁判所が命令しなくても、早く離婚したいから払ってもいい等の理由で相手が支払いに応じる場合も出てきます。

このような場合には、相手さえ承諾すれば慰謝料が支払われることになります。

ただ、その際に支払うお金は、本来、法的には慰謝料ではありません。
支払う責任のあるお金、というよりは、「問題を解決するためのお金」としての意味が強いことから、「慰謝料」という言葉の代わりに、「解決金」という言葉が使われることも多いです。

「解決金」という言葉を使うことで、法的な責任を認めたわけではないということになり、支払う側の対外的信用を失わせなくて済み、離婚問題を早く解決するために払ったものとしてマイナスイメージを与えることが少ない、という側面もあります。

お金を受け取る側にとっても、受け取れる額は同じですから、お互いの間では責任を認めたことと同じ、あるいは認めなくても支払いを受けられればいい、と勘ぐられるのであればデメリットは少ないことになります。

このような背景もあり、性格の不一致による離婚の場合は、「解決金」の名目でお金が支払われることもあります。

<性格の不一致に加えて他にも離婚原因がある場合>

性格の不一致が離婚の理由に含まれている場合でも、それ以外の原因が重なっている場合は、その理由に対しての慰謝料が支払われることがあります。 性格の不一致に対する慰謝料ではありませんが、相手に浮気などの不貞行為モラハラ(ケースとしてはまだ多くはありませんが、状況、立証によっては、離婚原因と認められる場合も一応あり得ます)などが認められる場合は、行った側が慰謝料の支払いを行う必要があります。

5-2. 慰謝料・解決金の相場

以上のとおり、慰謝料や解決金が支払われるとしても、性格の不一致以外の理由によってケースバイケース、あるいは相手が応じたときに応じた額ということになります。

しかし、その金額についても明確な相場というものはありません。希望の額ではない場合でも、さらに調停や裁判といった手続きに進むかは、よく考えた方がいいでしょう。専門家に相談してみるのもひとつの方法です。

<子供がいる場合の親権と養育費>

親権の判断は、夫婦の離婚原因とは切り離して行うべき問題とされています。

そのため性格の不一致が原因で離婚する場合でも、決め方は他の離婚原因と同様です。

まずは夫婦間で話し合い、それでも決まらなければ調停、裁判を行うという流れで、「どちらの親が子どもを育てていくのにふさわしいか」という観点から親権者が決められることになります。

(参考記事)親権ってどのように決まる?子どものために知っておきたい基礎知識

また養育費についても同様で、離婚原因や慰謝料とは別に、それぞれの年収や子どもの年齢などから算出された相場を元にして、まずは夫婦間で話し合い、それでも決まらなければ調停、裁判(離婚後の場合は審判)を行うという流れになります。

(参考記事)養育費の相場ってどれくらい?未払いを防止する方法ってあるの?

(参考リンク)養育費に関するお金の不安・督促のストレス・手続きの手間、3つの悩みから解放されます|イントラストの養育費保証

急いで離婚する前に。子どもの養育費について考えよう。
養育費の受け取りに不安があるなら

<財産分与はどうなる?>

財産分与も、民法上は、一切の事情を考慮することになっています。

しかし実際には、まず慰謝料の額を含めずに、夫婦として共同して形成してきたと認められる共有財産への寄与の割合、ほとんどは2分の1として夫婦で分けることになります。

(参考記事)離婚時の年金分割制度とは?手続き方法・計算方法についても解説

その上で、既に申し上げてきたような限度での慰謝料も考慮して、動くお金の金額をまずは夫婦間で話し合い、決まらなければ調停、裁判(離婚後の場合は審判)ということになります。

実際には、判決の手前で話し合って離婚となることが多いので、相手が応じれば、ということにはなりますが、話し合いの仕方で額が変わってくる場合もあります。

後悔しない離婚をするために、性格の不一致が理由かな、と思われる場合でも、早めに弁護士などに相談することを検討してもよいでしょう。

(参考記事)離婚慰謝料の基礎知識|原因・相場・決め方などを解説

(まとめ)勢いや感情に任せず冷静に

誰も座っていない公園のベンチ

離婚を切り出す前に、知っておきたいことをまとめましたが、いかがでしょうか。

性格の不一致で離婚するケースは決して珍しいことではありません。しかし、勢いや感情に任せて進めてしまうと、離婚した後なって後悔する可能性もあります。

せっかく結婚して一緒になった夫婦ですし、子どものことも考えなければなりません。話がまとまらなかった場合の調停や裁判には時間やお金など大きな労力もかかります。まずはいったん性格の不一致の解消を試みることもその後の結果にかかわらず十分検討に値する方法です。

しかしそれでも無理だと思ったら、まずは冷静に状況を見つめ直しましょう。

次に離婚後の生活を想定し、どのように準備生活設計ができるかをよく考えた上で進めることが重要です。

ご自身で考えるだけでなく、専門家により客観的な想定を聞いてみたりすることも役に立つ場合が多いので、参考にしてみてください。


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