2021.06.30

離婚の進め方とは?後悔しない離婚のための3つの方法と注意点

パソコンと向き合う女性

離婚しようと決意したとしても、感情の赴くままに話を進めていってしまうと非常に危険です。手続きの全体像大まかな流れ進め方を把握し、段取りを整えていくことが大切です。

本記事では、離婚の手順進め方についてまとめてみました。離婚を考えている方は、是非参考にしてみてください。


~ この記事の監修 ~

横倉行政書士

行政書士鷹取法務事務所
行政書士 鷹取 雄一
平成16年の開業当初から現在に至るまで、予防法務の分野に注力し、離婚協議書や結婚契約書の作成を得意としている。

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1. 離婚の手順・進め方

STEP

離婚の手順や進め方を確認しておくことは、将来的な見通しを立てていくのに重要です。

離婚には順序があり、協議離婚調停離婚裁判離婚という流れで進めていくことになります。

1-1. 協議離婚の成立に向けて話し合いを行う

最初に、協議離婚の成立に向けて話し合いを行います。

なぜなら、協議離婚は、離婚届届出をすることで、家庭裁判所を介入させることなく簡単に離婚を成立させることができ、時間的にも費用的にも負担が少ないからです。

実際に、日本における離婚9割協議離婚です

1-2. 離婚調停を申立てる

夫婦間の話し合いが難航してしまいそうなときや、話し合いすら行えないときは、協議離婚を成立させることができません。このような場合は、調停離婚の成立に向けて離婚調停を申立てることになります。

離婚調停は、家庭裁判所に申立てします。家庭裁判所の調停委員が話し合いの調整仲介をしてくれますので、建設的な話し合いができます。

1-3. 離婚裁判の申立てを検討する

離婚調停が不成立に終わりますと、調停離婚を成立させることができません。このような場合は、裁判離婚の成立に向けて離婚裁判の申立てを検討していくことになります。

裁判離婚とは、公開の法廷で行われ、最後に家事審判官(裁判官)が離婚の成立又は不成立を決定します。但し、離婚調停と勝手が異なり、法律上の離婚原因が必要になります。

2. 方法と進め方①:協議離婚

話し合う夫婦

協議離婚は、夫婦の合意が得られた後に、市町村役場離婚届の届出をすることで離婚が成立します。

しかし、未成年の子どもがいる夫婦の場合は注意点があります。

子どもの親権が決まっていなければ、そもそも離婚届の届出をすることできません親権者の決定は必須なので、届出の前に必ず決めておきましょう。

一方で、親権者以外の取決めは離婚の前後を問いません。つまり、離婚届の届出を終えてから慰謝料や養育費を決めても構わないのです。

ただし、協議離婚は裁判所介入しないので、離婚の際の合意内容を第三者証明してくれません。離婚の際の合意内容を離婚協議書公正証書などの文書に残すことにより、離婚後のトラブルの回避に役立つでしょう。

口約束で済ませてしまいますと、約束が果たされなかったとしても泣き寝入りになってしまう可能性が高いといえます。

(参考記事)離婚協議書の作成方法を解説。記載事項やひな形も紹介

3. 方法と進め方②:調停離婚

調停で離婚を進める夫婦

調停離婚を希望する場合は、家庭裁判所に離婚調停の申し立てをします。離婚調停の期日が決まると、家庭裁判所が選任した調停委員2名が調整、仲介役となり夫婦の話し合いが進められます。

離婚調停は1~2ヶ月1回の頻度で複数回行われ、最終的に双方の合意が得られると離婚調停が成立します。

調停離婚が成立したときには、その合意内容を明文化した「調停調書」が家事審判官(裁判官)により作成されます。調停調書は、法的に強い拘束力を持ちます。

また、調停調書の内容は覆せないため、納得できない点がある場合は、安易に認めてはいけません。離婚調停内における判断は十分に慎重になる必要があります。

4. 方法と進め方③:裁判離婚

家庭裁判所

裁判離婚は、家庭裁判所で審議や尋問を行い、家事審判官(裁判官)の判決によって離婚を成立させる方法です。判決離婚と呼ぶこともあります。

裁判離婚における注意点は、大きく分けて3つあります。

4-1. 必ず離婚調停を済ませておかなくてはならない

相手が離婚を完全に拒否している離婚条件の折り合いが合わない話し合いすらできないなど、離婚調停の成立が期待できないときには、最初から裁判を起こしたいと思うこともあるかもしれません。

しかし、裁判は必ず離婚調停というステップを踏まなければ行うことはできないのです。

4-2. 法定離婚事由が必要

裁判離婚を認めてもらうためには、民法770条に規定された離婚の理由が必要です。この民法に規定された離婚理由を法定離婚事由といいます。法定離婚事由とは、以下5つの理由を指します。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上生死不明
  • 強度の精神病に罹り、回復の見込みがないこと
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由があること

さらに、これらの法定離婚事由が夫婦間に存在することを立証するための客観的な証拠提出も求められます。

例えば、不貞行為が原因の場合は配偶者と不貞相手が密会している写真、暴力が原因の場合は怪我の治療における医師の診断書など、モラハラ・暴言が原因の場合は配偶者からうけた発言の録音などが挙げられます。

離婚裁判の場合は法定離婚事由の立証が最大のポイントです。証拠の準備が可能かどうかについても考えておきましょう。

4-3. 手続きが煩雑

離婚調停とは勝手が異なり手続きが非常に煩雑な上、訴状準備書面等の作成に高度な専門知識が必要です。現実的に弁護士が必要になるといえます。

5. 取り決めるべき内容は?

考える女性

離婚するときは単に離婚に合意することだけではなく、離婚にまつわるすべてのことについて話し合って決めておかなくてはなりません。

離婚に際して、夫婦で取り決めておくべき内容について順番に見ていきましょう。

5-1. 財産分与

夫婦が築いた財産を夫婦共有財産といいます。この夫婦共有財産を分配することを財産分与といいます。

分配の方法、互いの取り分に決まりはありませんが、公平に分け合うのが一般的です。財産分与の対象は、預金現金)のほか、不動産有価証券社債など)、保険の積立金退職金年金なども含まれます。

離婚時にはこれらすべての財産について、どのように夫婦で分配するのかを決めておく必要があります。

5-2. 慰謝料

相手に離婚原因や不法行為がある場合、慰謝料を請求することができます。代表的な離婚原因や不法行為は、不貞行為DV暴力行為です。

慰謝料の金額は、夫婦が自由に決められますが、一般的な相場は、数10万円から300万円の範囲です。

5-3. 解決金

相手に離婚原因や不法行為がないときにも、性格の不一致価値観の相違などを理由に一方が離婚を求めるケースがあります。当然、一方が大人しく離婚に応じてくれるとは限りません。

このようなときに、解決金の支払いが行われることがあります。

解決金とは、早期離婚問題解決させることを目的に、離婚を求めた側から相手側に支払われる金銭のため、性質的には和解金や示談金と同じです。解決金の金額は、夫婦が自由に決められますが、相場はありません。

5-4. 親権

親権とは、未成年の子どもの親が持つ、その子どもが持っている身分上・財産上の権利管理・行使する権利です。

未成年の子どもがいる場合は、親権者を決めておかなくてはいけません。

5-5. 養育費

養育費についても決めておくことが必要です。

養育費とは、子どもが経済的に自立するまでの期間に必要なお金のことで、子どもを養育していない親子どもを養育している親(一般的に親権者に相応の金額を支払うことになります。

一般的には、家庭裁判所が採用している養育費算定表を基準に養育費の金額を決めます。養育費算定表では、夫婦お互いの年収子どもの人数年齢から金額を算定することができます。裁判所のHPに公開されているので、確認してみてください。

(参考記事)養育費の計算方法が知りたい!額を左右する要素・損をしない方法

養育費を計算ツールでシュミレーション
新算定表に基づいて養育費を自動計算

5-6. 面会交流

子どもと一緒に暮らしていない親が、定期的子どもと面会することを面会交流といいます。

面会交流の方法や回数などについても、離婚前に決めておいた方が後々のトラブルが少なくなります。

6. 公正証書の作成メリットとは?

メリット

離婚の際の合意内容をまとめた契約書を離婚協議書といいますが、離婚協議書の内容は公正証書にしておくことをおすすめします。

公正証書とは、法務大臣から任命された公証役場公証人が作成する公文書です。公正証書には色々な種類がありますが、離婚の際の合意内容を定めた公正証書のことを、離婚給付等契約公正証書(略して離婚公正証書といいます。

公証役場は全ての都道府県にあり、各所に点在します。公正証書の作成手続きを行うときには、公証役場に手数料を支払わなくてはなりません。

公証役場の手数料は、公正証書に記載する金額目的の価額により決まります。安いときは1万円台、高いときには5万円を超えるケースもあります。

しかし、公正証書を作成することには、非常に大きなメリット3つあります。

6-1. 離婚の際の合意内容の証拠

調停や裁判により離婚が成立すると、家庭裁判所によって離婚の際の合意内容を記録した公文書(調停の場合は調停調書、裁判の場合は判決調書)が作成されます。

しかし、協議離婚は、家庭裁判所介入がないので、合意内容を記録した公文書がないということになります。そのため、夫婦間が自ら離婚の際の合意内容を記録しておくしかありません。

そこで、公文書である公正証書を作成しておくと、その原本が公証役場に20年間保管されるうえ、相手が約束事を守らなかった際に、作成した公正証書を元に法的措置検討することが可能になるため、安心です。

6-2. 訴訟手続きをせずに強制執行が可能

公正証書には「支払を履行しないときは直ちに強制執行に服する」といった執行認諾文言を記載しておくのが一般的です。執行認諾文言を記載しておくと、慰謝料や養育費などの金銭の支払いに関する約束事を破られたときに強制執行が行えます。

強制執行とは、相手の給与や銀行口座を裁判所の命令により差押えてしまう強力な手続きです。元々強制執行は、裁判所が作成した文書が必要になりますが、執行認諾文言を記載した公正証書なら訴訟手続きの必要がありません

6-3. 公証人にチェックしてもらえる

公正証書の作成手続きを行う場合は、法令公序良俗に反する内容が合意内容に含まれていないか、公証人チェックしてもらえます

夫婦間の約束事が法令や公序良俗に反していたということも少なくありません。法令公序良俗に反している約束事は無効になるため、約束事無効になってしまうリスク回避することができます。

ご自身での作成に不安がある場合は、弁護士行政書士に作成手続きを依頼するのも一つの方法です。

7. 話し合いの前に準備すること

スーツを着た女性

離婚をしたいと思ったとしても、何の準備もせずに離婚の話を切り出してしまうのはあまりに危険です。

準備が不十分のまま話をしてしまうと、自分が不利な状況に追い込まれる可能性が高くなってしまいます。離婚を有利に進めるためにも、事前に準備をしておくことが大切です。

事前に準備しておくべき項目として、以下の4つが挙げられます。

7-1. 知識武装する

離婚は、情報戦の側面が強いといえます。最初は、インターネットサイトや書籍を参考に、離婚の基本的な知識を頭に入れます。

基本的な知識を得られたら、自分の置かれている状況客観的に分析するため、専門家相談してみましょう。そうすると、離婚に向けた段取り、必要な予算注意点、その他諸々、理想的な離婚の展望計画が描けます。

7-2. 離婚後の生活を想定する

離婚を決めたら、離婚後の生活を想定する必要があります。小さい子どもを抱えている場合はフルタイム働くことが難しいので、経済的に厳しい生活を強いられる可能性もあります。

月間年間の収支予測養育費算定表の確認、居住場所、受給できるひとり親手当など、色々と調べなくてはいけません。経済的自立が難しいのなら、離婚の時期見合わせる必要も出てきます。

(参考記事)シングルマザーの実態って?ひとり親になる方が知っておくべきこと

7-3. 財産目録の作成

婚姻期間が長い場合、夫婦の保有する財産が多くなりますので、夫婦共有財産をリストアップしておくべきです。このリストアップしたものを財産目録といいます。

夫婦共有財産かどうかの見極めが難しいものは、一旦リストに含めておいても良いと思います。持家は、不動産業者の簡易査定を依頼し、時価を算定しておきましょう。

7-4. 証拠の確保

離婚の原因が相手の不貞行為DV暴力行為)、モラハラにあるときには、写真医師の診断書録音などといった証拠を事前に押さえられたら、今後有利に交渉を進められるといえます。

自力で確保することが難しいときには、探偵に依頼するのも一つの選択肢です。

8. 弁護士に依頼するべき場合の判断基準

メモを取る弁護士

離婚の際には、色々な書類の準備や各所への届出の提出や手続き、決めなければならない事項が沢山あるため、弁護士に依頼した方がをスムーズに進められます

しかし、どうしても費用がかかってしまうため、依頼するかどうか悩む方も少なくありません。

ここでは弁護士に依頼した方が良いケースを3つの例として挙げてみます。

8-1. DVやモラハラを受けている

DVモラハラを継続的に受けた人は、長年抑圧されてきたことによって自己主張ができなくなっている方が多く見受けられます。

そのような状態では、相手方と面と向かって話し合いすることはもちろん、電話やメールのやりとりすらも難しくなるため、第三者を入れた方が良いといえます。

しかし、親族や友人などの第三者客観的な視点に欠けている上、感情移入してしまいがちなので、話し合いの仲介役に向いていません。問題解決の術を心得ている弁護士が適任といえます。

8-2. 取り決めることが多い

子どものいる夫婦は、親権養育費面会交流と取り決めが多くなります。

更に慰謝料を請求する場合(請求された場合)や、持家住宅ローンがある場合など、取り決めることが多いときには、弁護士の手を借りた方が解決を図りやすいでしょう。

8-3. 当人同士の話し合いが難しい

別居している、精神的に疲弊している、感情的対立が激しい、その他様々な事情により当人同士の話し合いが難しいことが少なくありません。

このようなときこそ代理人になれる弁護士に依頼し、自分の代わりに動いてもらうべきでしょう。費用がかかるとはいえ、莫大な時間労力節約できることを考えたらメリットの方が大きいといえます。

(まとめ)しっかりと準備して対策しよう

前を向く女性

実際に離婚手続きをする際には、まず段取りの確認事前の準備が肝心です。

離婚手続きは大変な労力を要しますが、全体像を把握し、離婚に向けた道筋を立てておけば、相手方とも円滑に話をすることができますし、離婚手続きもスムーズに進めることができるでしょう。


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