更新日: 2021.06.10

公開日:2021.05.28

離婚が子供に及ぼす影響は?精神面・金銭面での影響を最小限に抑えるために

両親のケンカに悲しむ子ども

離婚をしたくても、子供へ悪い影響を与えるのではないかと考えてしまい、ためらってしまう人も多いのではないでしょうか。それでも、本気で別れたいと考えているのであれば、離婚によって子供に及ぶ影響について調べておくことが必要です。

この記事では、離婚により子供が受けやすい影響や、できるだけ抑える方法について解説します。

1. 離婚が与える精神面での影響

不安げな表情でスマホを見る子ども

親の離婚が子供に与える大きな影響の一つは、精神面です。離婚によって、子供は大きなトラウマを抱えてしまう可能性があります。

具体例を4つ解説していきます。

1-1. 失う恐怖・捨てられる恐怖を抱きやすくなる

離婚が与える1つ目の大きな影響は、「恐怖感が植え付けられること」です。

親は、子供にとって唯一無二の存在といえるでしょう。そのため、どちらかの親が自分の前からいなくなってしまうと、「自分は最終的に見捨てられてしまうのではないか」といった恐怖心を覚えてしまいます。離れていった親は、「自分のことを必要なくなったのだ」と思うようになり、今いる親すらも疑うようになるのです。

こうした気持ちは、すべての人間関係に対して続いていきます。せっかく親しい相手ができたとしても、「いつかいなくなるかもしれない」という疑いを捨て切れず、精神的に不安定な状態で生活することになりかねません。

1-2. 愛情を信じるのが難しくなる

離婚が与える2つ目の影響は、「愛情を信じられなくなること」です。

本来、親とは子供に無償の愛をささげる存在です。そのため、幼いころから子供は自分が親から愛されることを疑いもしません。しかし、突然両親が離れ離れになってしまうと子供は自分の気持ちを裏切られたと感じます。

その結果、愛情そのものを信じることが難しくなり、他人だけでなく自己愛の発育にも支障をきたしかねません。また、「片親から捨てられた」という疑念はなかなか消えないため、子供は「自分と一緒にいる親も自分を好きではない」と感じてしまう傾向があります。愛情を信じられないと、親との関係がぎくしゃくしていく可能性もあるのです。

1-3. 依存しやすくなる

離婚が与える3つ目の影響は、心の隙間を埋めるため、「何かに依存しやすくなること」です。

酒やタバコなどで自分の傷ついた気持ちを落ち着かせようとし、依存症に陥っていく人は少なくありません。依存対象はさまざまあるため、最悪ドラッグなどの非合法的なものに手を出したり、性依存症になったりしてしまう可能性もあるでしょう。

また、恋愛人間関係においても依存体質になりがちです。親に捨てられてしまった経験から、「二度と同じ思いをしたくない」と考え、必要以上に相手へ執着してしまう可能性もあるでしょう。

本人は、安心感を求めてのそのような行為をしますが、パートナーにとっては負担になりかねません。また、承認欲求が非常に高いため、他人目線での評価ばかり気になり、自分の考え方が分からなくなってしまう人もいるでしょう。

1-4. 将来離婚率が上がる

離婚が与える4つ目の影響は、自分が結婚したとき「離婚のハードルが下がること」です。

親が離婚した子供は、自身も離婚する可能性が高くなります。なぜなら、自分の親が離婚を経験しているため、「してはならないもの」とは考えにくくなるからです。そういった思考が潜在的にすり込まれてしまっているため、パートナーに不満を感じたり意見が対立したりしたときなど、話し合いなどで解決しよう」という発想にたどり着きにくいといえます。

離婚に対するハードルが低いため、簡単に離婚してしまう可能性があるでしょう。そのため、離婚と結婚を繰り返すような人も少なくありません。

2. 子供の年齢別に考えられる影響

たくさんのスニーカー

子供の年齢によっても、親の離婚が与える影響は変わっていきます。子供が何歳でも決して小さくはない影響を与えるので、メンタルケアは非常に大事になります。

以下、子供に与える影響を年齢別に紹介していきます。

2-1. 乳幼児期

子供が0歳から2歳くらい乳児期の段階で、離婚するカップルは少なくありません。なぜなら、赤ちゃんの頃なら父親の記憶があまり残っていないので、子供への影響が少なくて済むと考える人が多いからです。

ただ、シングルマザーになると仕事が忙しく、子供のそばにいてあげる時間大幅に減ってしまうでしょう。物心がついていない時期だからこそ、一緒にいる時間が少なくなることで子供は不安を覚え、精神的に不安定な状態になりかねません。

そのため、仕事や家事の合間など、できるだけ一緒にいる時間を作ったりスキンシップを図ったりする時間を増やすことが重要です。

また、乳児期でも親のイライラストレスは伝わっています。幼児期から強いストレスを常に感じ続けていると、性格人格形成にも影響が出かねません。そのため、子供の前では可能なかぎり笑顔で接することを心がけましょう。

また、子供が3歳から5歳くらいまで成長してくると、幼稚園や保育園で「お友だちはお父さんがいるのに、どうして自分にはお父さんがいないのか」といった疑問をぶつけられることもあります。

子供には、知る権利があるのでごまかすことはせずできるかぎり真実を丁寧に教えましょう

2-2. 小学生

子供が小学生になれば、離婚の意味はおおむね理解してくれるでしょう。しかし、小学生くらいの子供は、冷静に親の決断を尊重できるほどには成熟はしていません

気持ちの整理が難しい年齢でもあるため、離婚によって不安感喪失感恐怖感などが生じ、気持ちが乱れてしまう子供もいます。分かりやすく喜怒哀楽を表現できない子供であっても、身体症状に異変が出ることもあるでしょう。

また、「困らせたくない」と親に気を遣ってしまい自分の悩みを話せなくなる子供も少なくありません。子供は、親のためいきや、がっかりした顔などささいな行動でも、不安な気持ちになります。

そのため、親から子供へ気持ちに余裕がある対応を見せて、話しかけやすい雰囲気を作ってあげることが大切です。子供が無理して「いい子」を演じすぎないためにも、子供の気持ちを受け入れる姿勢が必要になります。

また、子供はまだ小学生だからと離婚理由を明かさない、なんてことはせず、早い段階で正しく丁寧に説明することが重要です。子供の中で腑に落ちないような疑問があるまま成長させてしまうと、自分が原因だったのではないか」という不安にまで発展しかねません。

2-3. 中学生・高校生

中学生や高校生の思春期を迎えた子供は、親にはっきりと感情や意思を見せなくなることも珍しくありません。そのため、離婚により精神的に不安定になっていることを親が見逃すケースもあります。

中学生や高校生は一見一人前になっているように見えるかもしれませんが、精神的にはまだ成長過程です。そのため、「子供の様子に変化がないか」など、アンテナを張って気づけるような環境を作ってあげるとよいでしょう。

なかには、友人に離婚の話を打ち明けて不安や不満を吐き出し精神状態を保とうとする子供もいます。しかし、自分の中に気持ちをため込んでしまうタイプだと、フラストレーションが高まっていき、ある日突然爆発しかねません。

さらに、離婚によって経済状況を心配してくれる子供もいます。このタイプは、自分の家にお金がないことを認識しているため、「希望する進路をあきらめ就職する」ということもあるでしょう。

家庭によって事情は異なるでしょうが、中学生や高校生の段階で自分の希望する進路をあきらめてしまうことは親にとっては心苦しいことです。そのため、親から「自分の進みたいところに進んでよい」と告げて、お金についてもしっかりと話し合う機会を持ちましょう。

3. 子供の年齢に配慮した離婚のタイミング

手をつなぐ親子

離婚の時期を子供の成長に合わせようと考えた場合は、タイミングに悩む夫婦もいるかもしれません。

最も理想的なのは、子供の成人を待つことです。成人ともなれば、精神面が成長していると考えられるため、離婚という事実を自分なりに折り合いを付けることが期待できます。ショックはあるかもしれませんが、自分で折り合いを付けることができれば、幼少期のような精神的なダメージは避けられるでしょう。

ただ、子供が成長するのを待てないようなら、子供に記憶が残らないよう、できるだけ早い時期にするのが賢明です。 具体的には、卒業から進学にかけて学校が変わるタイミングを意識します。

子供にとって名字を変えたり転校したりするのは、環境が変わったり周りの好奇な目線に曝されたりと大きなストレスになりかねません。学期の最中に環境を変えると、気持ちが乱れてしまう可能性が高くなるため、他の子供と同じスタートを切れるタイミングだと、比較的ダメージも少なくなるでしょう。

4. 離婚が子供の心に悪い影響を及ぼさないための方法

ヘルメットを被った子供

ここまでは、離婚が子供に及ぼす影響を解説していきました。ただ、夫婦の努力によっては子供への影響を最小限に抑えることができます。ここからは、その方法を3つ紹介していきます。

4-1. 離婚する相手の悪口を言わない

1つ目は、「元パートナーの悪口を言わないこと」です。

自分にとっては憎い相手であったり、離婚理由が相手にあっても、子供にとって親であることには変わりません。そのため、日常的に離婚する相手の悪口を聞かされると、子供が自身の存在を否定されている気分に陥り、自己否定につながります。

また、子供が成長していくと、元パートナーの悪口を言う親に対して不信感を抱き始める可能性もあるでしょう。子供の自己肯定感の成長を阻害するような行動は、心に深い傷跡を残しかねませんので、離婚する相手の悪口は言わないよう注意が必要です。

4-2. 子供が原因でないことをはっきり伝える

2つ目は、「離婚の原因は子供ではないと伝えること」です。

親が離婚するとき、子供は「自分が原因ではないか」と思い込んでしまうことがあります。親は自分の離婚理由が分かっていても、子供は一度誤解し固定観念にとりつかれてしまうと、自責の念に駆られて苦しみ続けなくてはなりません。そのため、親からはしっかりと子供に「原因はあなたではなく、他にある」ということを伝えてあげましょう。

また、「あなたのために別れた」という言葉も厳禁です。結局は、「あなたが原因で離婚した」とも解釈できる文言であり、子供の戸惑いに拍車をかけてしまいかねません。できるだけ正確な情報を子供に伝えて、納得してもらいましょう。

4-3. 両親の愛情を伝える

3つ目は、「両親の愛情をしっかりと伝えること」です。

離婚によって、子供は「置き去りにされた」「見捨てられた」という複雑な感情を抱きやすくなります。疑心暗鬼の状態で成長していくと、将来人間不信に陥りかねません。

そこで、離婚のタイミングで子供には「いつまでもあなたの親である事実は変わらない」「これからもあなたを愛し続ける」と説明しましょう。「言わなくても分かる」という考えでは子供に伝わりにくいため、明確な言葉と態度で示します。親からの真剣な思いが伝われば、子供は恐怖感愛情不信に陥らずにすむでしょう。

さらに、離れて暮らす親と面会をするのであれば、その旨も教えてあげることも大切です。「今後も会える」と正しい情報を伝えることで、子供の不信感や不安感がやわらぐでしょう。

5. すぐ離婚すべき場合

サイレン

子供に悪い影響を与える可能性があると考えると、離婚をためらってしまう人もいるでしょう。しかし、配偶者から暴力を受けていたり、モラハラが続いていたりするようならすぐ別れるべきです。

まずは、自身の身の安全最優先にしましょう。また、暴力が当たり前になっていくと、子供の心にも強いストレスを与えてしまいます。将来、対人恐怖症になったり、暴力への抵抗感を持たない人間になる可能性もあります。

自力で離婚を進めていくのが困難なら、行政の窓口弁護士に相談しましょう。DVシェルターなどもうまく活用して、自分の身を守ることが大切です。

自分の中だけで「無理だ」とあきらめず、離婚に詳しい専門家の客観的な意見を聞くことで冷静さを取り戻すこともできます。

6. 仮面夫婦でいることのデメリット

険悪な雰囲気の夫婦

離婚が難しいからといって、仮面夫婦として結婚生活を続けようとする夫婦もいるのではないでしょうか。しかし、たとえ子供のためだったとしても、最終的にはデメリットの方が多いことは否めません。

なぜなら、子供は両親がお互いにいがみ合っている様子を見て育つので、日常的にストレスを感じます。また、親の顔色をうかがうようになり、家の居心地も悪くなるでしょう。

本来、自分の家は安心して過ごすことができる場所です。しかし、自宅がストレスを感じる環境になると、自分をありのまま受け止めてくれるような安住地を探すために外出が増えたり、非行に走ったりするなどの問題行動へ結びつくことがあります。

たしかに、子供のためを思ったとき、離婚は最善の選択とはいえません。しかし、あえて離婚をせずに夫婦喧嘩が常に絶えない環境になってしまう、また、夫婦同士でいがみ合った生活を送ることになるくらいなら、いっそのこと別居や離婚をして、お互いの道を歩みだしたほうが子供の幸せにもつながるでしょう。

7. 金銭面での影響

泣いてる豚の貯金箱

離婚は、子供の精神状態の悪化だけでなく経済的な面でも影響を与えます。

特に、シングルマザーの年間収入は平均約243万円という低い状況です(※平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(厚生労働省))。

そのため、離婚により貧困状態に陥っている世帯も少なくありません。この記事では、離婚が金銭的にもたらす影響を解説します。

7-1. 生活水準が低くなる

離婚するパートナーが大黒柱となっていたり、夫婦で共働きをして生計を立てていた場合、離婚によって世帯収入大きく減少します。

離婚するパートナーの収入に頼って生活していた場合、シングルマザーになるとかなり生活水準が低くなる可能性が高いです。生活水準が低くなると、今までのような生活は望めず、調理が簡単なインスタントやレトルト食品、お腹が膨れる炭水化物で済ませざるをえない状況になる人もいるでしょう。

その結果、子供は偏食になるため、栄養不足に陥りかねません。収入が少なくなるため、服や靴が買い替えにくくなったり、新しい文房具が買えなかったりすることもあるでしょう。日用品必需品を買う余裕がないだけでなく、友だちが持っている趣味のおもちゃなどの購入も難しいため、「会話についていけない」「仲間はずれにされる」など子供の不満も大きくなります。

7-2. 進学の希望が叶わないことがある

離婚によって家計のやりくりが厳しくなると子供の学費を支払うことも大変になります。日常的な学習に必要な費用を捻出するのに精一杯な状態も多いため、学費の高い私立の学校へは通わせることが難しいでしょう。

さらに、子供が大学や専門学校へ進学したいと思っても、費用がないため希望がかなわない可能性もあります。本人の気持ちとは裏腹に、中学校や高校卒業と同時に働かざるをえないような家庭も珍しくありません。

また、学費は確保できたとしても、学力向上のため塾や予備校にまで通わせる余裕はないかもしれません。塾や予備校で効率よく学習している子供に比べると、不利な状態で受験戦争に臨まなくてはいけなくなるため、思ったような成績が残せなかったり、苦戦する可能性もあるでしょう。  

7-3. 他の子より機会を失う可能性がある

世帯収入が少ないと、子供に旅行習い事留学などの経験をさせてあげることは難しくなるでしょう。

また、幼い子供に十分な娯楽も提供できず、ゲームや本、おもちゃなどを十分に買い与えられなくなります。そのほか、本人が希望していても費用が捻出できないため、さまざまなチャンスをあきらめる癖が付いてしまうかもしれません。いろいろな経験をさせてあげられないことで、周囲との文化格差も広がっていきます。

また、学校で共通の話題がなく、孤立してしまう可能性もあるでしょう。それ以上に、子供自身の好奇心機会が奪われてしまうのは問題です。知識経験が育まれていかないため、興味を持つ範囲が限られてしまったり、我慢でストレスをため込んだりすることも否めません。

あきらめ癖が付いてしまうと、自分がやりたいこと気持ちにもフタをしてしまう可能性があります。そうならないためにも、夫婦で十分に子供の将来まで考えたうえで離婚を検討することが大切です。

8. 離婚で子供に金銭面で苦労させないために

ガッツポーズをする女性

両親が離婚したとしても、子供に罪はありません子供の将来の可能性に悪い影響を与える前に、できるかぎり経済的な苦労をかけないように努めましょう。

この段落では、金銭面で子供を苦労させないためにできる行動を2つ紹介していきます。

8-1. 職業訓練を受けたり資格をとったりして収入アップ

仕事の経験や就職に役立つ資格がないまま離婚をしてしまうと、いざ仕事を探していても働く先が限られてしまいます。アルバイトやパートが候補のメインになってしまうので、子供を養うだけの収入を稼ぐのは難しくなるでしょう。

そのため、できるかぎり離婚する前専門的な資格を取得したり、職業訓練を受けて、できる仕事の幅を広げておくことが大切です。

資格を取得する際は、各自治体が定めた条件を満たせば、自立支援教育訓練給付金高等職業訓練促進給付金など、技術を身につけようとする人を対象とした助成金を受給することができます。

8-2. 手当や補助金を利用する

シングルマザーひとりでは、育児家事仕事を全て完璧にこなそうとしても、やはり限界があります。そこで、国や自治体の設けている補助金が利用できないかについて調べてみましょう。

例えば、「児童扶養手当」は低所得者層に対して支給されるお金です。

養育者の所得によって10円刻みで支給額が算出され、児童一人の場合、全額支給で月額 4万3,160円一部支給の場合は月額1万180円4万3,150円の間で支給されます。いずれも光熱費や食事代、家賃などにあてることを考えれば助かる補助金といえるでしょう。

さらに、「母子家庭等の住宅手当」も利用したいサービスの一つです。

未成年の子供を養育しているシングルマザーで、賃貸住まいの場合が対象となります。市区町村によってシステムは異なりますが、多くのケースでは1万円前後が補助されます。

お住まいの自治体で、詳しい内容を確認してみましょう。そのほか、申請が通れば生活保護も受給可能です。このように、シングルマザーを支えてくれる制度はさまざまあるため、自分が利用できる制度をしっかりと確認しておきましょう。

9. 養育費はいくらが相場?

計算機

助成金を申請したあと、受給できるかどうかの審査結果が出るまで時間がかかりますし、必ずしも受給できるとは限りません

また、住宅手当の額は地域によってさまざまです。そのため、シングルマザーが生活費を確保するためには、離婚した相手にしっかりと養育費払ってもらうことが重要になります。

養育費とは、離婚した相手から子供が自立するまでの間支払ってもらう、子供を養育するためのお金のことです。養育費の支払い義務は、法律によって定められています。ちなみに、シングルマザーの受け取っている養育費は、2016年時点で月額平均4万3,707円です(※平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(厚生労働省))。

ただし、養育費の額はさまざまな要素によって変動します。子供の数が増えれば、人数が考慮された金額を受け取るべきですし、逆に、子供がある程度自立していると養育費の額は少なくなります。

さらに、もともと低収入だった相手からは十分な養育費を請求しにくいのが特徴です。ただし、一度「支払う」と決められた養育費を後から覆すことはできません

シングルマザーとしては、離婚した相手と関わりを持ちたくない人もいるでしょう。しかし、養育費は子供の権利です。離婚したことで困窮した生活を送らないためにも、冷静かつ確実に振り込んでもらえるよう対処していくことが賢明です。

(参考記事)養育費の計算方法が知りたい!額を左右する要素・損をしない方法

10. 養育費はあてにならないって本当?

落ち込む木製人形

養育費は、法的に支払いの義務がありますが、「養育費はあてにならない」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

ここからは、養育費の実態ついて解説します。

10-1. 養育費は半分以上が未払い

養育費は、非監護親から監護親へ、取り決めた金額通りにしっかりと支払う義務があります。そのため、親権を持つ方は、離婚した相手から取り決めた金額の養育費を受け取れることになります。

しかし、「養育費を払ってもらっていない」というシングルマザーはなんと56.5%もいるのです※平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告(厚生労働省))。

また、一度は養育費を受け取ったことがあるシングルマザーでも、途中から支払いがなくなったケースは少なくありません。養育費を受け取るべき世帯の半数以上支払いを受けていないのが、今日の日本の実情なのです。

法律でしっかりと支払うことが定められているにもかかわらず、なぜ養育費は支払われないのでしょうか。

その原因の一つに「そもそも養育費の取り決めをしていない」という点が挙げられます。

厚生労働省の調査によると、離婚した夫婦の54.2%が養育費についての取り決めをしていないという結果がでています。そのため、離婚相手は「養育費を支払わなくてもよい」と判断し、それを受け入れているシングルマザーが多いのが現実です。

しかし、それで後々の生活が苦しくなるシングルマザーは大勢います。子供に健康的な食事を与え、望んでいる進路を実現させてあげるためにも、養育費は重要です。

離婚の際は、どうしても感情的になってしまったり、相手と意思疎通が取れなかったりすることも多いため、養育費の話どころではないかもしれません。しかし、子供の将来を守るためにも、しっかりと養育費の知識を学習したうえで話し合いの場を設けましょう。

どうしても話にならない場合は、弁護士などの専門家に依頼することも方法の一つです。

(参考記事)養育費の未払いで困っている!支払ってもらうための適切な対応とは?

10-2. 養育費は支払われるべきお金

離婚相手から養育費を支払われない背景には、いくつかの思い込み勘違いもあります。

また、離婚相手が都合よく制度を解釈した結果、支払われない状況がまかり通ってしまうということもあるのです。例えば、「自分は親権持たないので、子供にかかるお金は用意しなくてもよい」と考えている人も少なくありません。

しかし、離婚によって夫婦関係は解消しても親子関係までは解消しないため、離婚相手にも子供を扶養する義務は発生します。養育費は、離婚後に子供のために支払われてしかるべきお金なのです。

また、「生活はできているのだから養育費は必要ない」という考え方も間違いです。

養育費は、最初に取り決めた額を支払い続けなくてはなりません。決して生活を援助する意味のお金ではなく、親が子供への扶養義務を果たすための手段の一つです。

すなわち、養育費を支払っていない親は義務を放棄していることとなります。決して許される行為ではないため、支払いが滞っているようなら毅然とした態度催促することが必要です。

11. 養育費をもらうために

ビックリマークと女性の後ろ姿

義務であるにもかかわらず、養育費を一向に支払おうとしない非監護親もいます。こうしたタイプには、利用できるあらゆる権利を行使して催促し続けなければなりません。

ここからは、養育費をきちんと受け取るためにできることを解説していきます。

11-1. 公正証書

協議離婚の際に、取り決め書類を公正証書にしておくのは賢明な方法の一つです。

公正証書を作成するためには、原則、離婚する夫婦が2人公証役場に足を運ぶ必要があります。公証役場にいる公証人の立ち会いの下、取り決め内容双方が同意しているか適切な内容であるかなどの客観的根拠を明らかにした上で作成されます。

そのため、公正証書は公文書として扱われ、裁判などでも客観的根拠がある書類として認められます。手数料はかかりますが、取り決め内容に「取り決め内容に従わない場合、強制執行に服する」要旨の一文(強制執行認諾文言)を加えて記載しておけば、養育費の支払いが滞ったときにスムーズに強制執行手続きを行えるため、決して高い出費ではないでしょう。

強制執行とは、裁判所債権者の権利を守るために介入することです。具体的には、相手の給与口座預金口座などを差し押さえて、強制的支払いをさせます。

約束通りに養育費が支払われなかった場合、養育費を受け取る権利のある方の判断で相手の給与口座を差し押さえることもできます。その際、裁判所から確定判決等を新たに得る必要はありません。

実際に差し押さえ手続きが進むと、職場に養育費を支払っていないことが知られてしまうため、離婚相手にとっては社会的プレッシャーをかけることができるでしょう。

公正証書を作成することに対して、「手続きが面倒」「費用をかけたくない」という人もいるでしょうが、子供の将来を考えればしっかりと作成しておくことをおすすめします。

11-2. 養育費保証

養育費を払ってもらえるか心配な人は、離婚のタイミングで養育費保証サービスを利用することもおすすめです。

養育費保証サービスとは、離婚相手からの支払いが滞ってしまった場合でも、保証会社養育費を立て替えてくれるという仕組みです。立て替えた分の養育費は、保証会社離婚相手へ請求します。

今月はしっかり払ってくれるのか」「毎月支払いの催促を連絡するのが嫌」など、養育費の受け取りにストレスを感じているひとり親も多いのではないでしょうか。

しかし、養育費保証サービスを利用していれば、もし離婚相手が養育費を滞納しても立て替えてもらえるため安心です。生活レベルを維持でき、子供の健康や勉強への影響を防げます。

また、離婚相手に連絡を取らなくて済むのもメリットです。離婚した夫婦の中には、「相手の声も聞きたくない」と思う人も多いのが現実。そのような相手と、お金のやりとりをするのはかなりストレスになります。それが嫌で、養育費の受け取りを途中で諦めてしまったり請求できなかったりする人もいます。

しかし、養育費保証サービスを利用すれば、立替えられた分の支払い催促保証会社が行ってくれるため、ご自身で離婚相手へ連絡を取る必要もなく、負担も軽減されて安心です。

急いで離婚する前に。子どもの養育費について考えよう。
養育費の受け取りに不安があるなら

(まとめ)適切な対応で子供への影響を最小限に

手遊びをする親子

両親の離婚は、子供へ精神的経済的な影響を与える可能性は少なからずあります。

しかし、金銭的な補助をしてくれる制度やサービスはたくさん設けられています。親がしっかりと知識を持ち、必要な制度を活用すれば、子供の生活将来を守ることも可能です。

特に、養育費は子供の安定した生活を築くために重要なお金です。養育費保証サービスなどを活用して確実に支払ってもらいましょう。


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