更新日: 2022.07.28
公開日:2021.11.02
離婚するための方法って?手続きや注意点を徹底解説!

浮気やモラハラ、DVなど、できることならすぐにでも離婚をしたい…と思ってしまうような状況でお悩みの方は多くいらっしゃるでしょう。
ですが、今すぐしたいと思ってもすぐにできるわけではありません。まずは離婚するための方法を知り、冷静に協議を進めることが大切です。
この記事では離婚するための方法や、成立させるための条件、スムーズに進めるための方法や前もって知っておきたい注意点について解説します。
~ この記事の監修 ~

青野・平山法律事務所
弁護士 平山 愛
現在の日本の夫婦は、必ずしも平等で対等な立場にあるわけではありません。経済的・社会的に弱い立場にある者の生活を守り、公平な解決となるよう心掛けています。
1. 離婚手続きが成立するまでの流れと4つの方法

一般的に、離婚が成立するまでの流れは以下のようになります。
- パートナーに離婚を切り出す
- 離婚の合意が取れたら離婚協議書を作成する
- 離婚届を提出する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1. パートナーに離婚を切り出す
まずは、パートナーに自身が離婚を考えていることを話すところから始まります。
自身が離婚を検討している理由を簡潔に説明できるように、また、離婚を検討する原因や証拠がある場合はその準備をきちんとしておく必要があります。
ここで無理やり説得しようとしたり冷静さを欠いた応対をしてしまうと、言い合いに発展してしまい離婚の成立や問題解決に時間がかかってしまう 可能性が高くなります。なるべく冷静に話し合いをするように心がけましょう。
1-2. 合意が取れたら離婚協議書を作成する
お互いに離婚をすることに合意が取れたら、離婚後に言った言わない問答で離婚後にトラブルにならないように、離婚協議中に決まったことを書面化します。
記載する一般的な内容は、婚姻費用や財産分与、年金分割、(正当な請求理由がある場合は)慰謝料などが挙げられます。子どもがいる場合は、親権や養育費、面会交流についても取り決めて記載するようにしましょう。
なお、調停離婚や裁判離婚をする場合は、取り決められた内容が調停調書、または和解調書といった公文書として裁判所から発行されるため、別途作成する必要はありません。
1-3. 離婚届を提出する
取り決めるべき項目の調整が済み離婚協議が終了したら、役所に離婚届を提出します。
離婚届が受理されたら、離婚が成立します。提出の際に訂正や修正箇所があったときに備えて、夫婦二人の印鑑と身分証明書を準備しておくと安心です。
また、調停・裁判を経て離婚をする場合は、調停の成立日または判決・審判の確定日から10日以内に離婚届を提出しなければなりませんので、注意しましょう。
なお、離婚届は、各市区町村役所の戸籍課や市民課でもらうことができます。自治体によってはホームページからダウンロードできるため、時間に余裕がない場合はそちらも利用すると良いでしょう。
1-4. 離婚を成立させるための4つ方法
離婚を成立させる方法は、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4種類があります。
前提として、パートナーから離婚への合意を得て離婚時の約束を取り決める方法が4種類あるというだけで、基本的にどの離婚方法も、先ほど紹介した成立までの流れは同じです。相手が離婚に応じるか応じないかによって適当な方法が変わってくるのです。
具体的には、
- パートナーへ離婚の話を切り出し合意が取れそうなら協議離婚
- なかなか応じてもらえない、そもそも話し合いができない場合には調停離婚・審判離婚
- それでも折り合いがつかない場合は裁判離婚
というように進んでいきます。 次は、それぞれの離婚方法について、成立条件や手続き方法を詳しくご紹介します。
2. 方法①協議離婚

協議離婚とは、夫婦の話し合いによって離婚手続きを進める方法です。
裁判所を介することなく離婚手続きを完結させることができるため、話し合いさえうまくいけば円満に、かつ最も早く離婚を成立させることができます。
そのため、
- 相手が話し合いに応じてくれそうな場合
- 双方ともに円満な離婚を望んでいる場合
- 離婚時に揉める要素が少ない場合
上記のケースの場合、協議離婚が向いていると言えるでしょう。実際に、日本における離婚の87%以上が協議離婚と言われています。
2-1. 成立条件
協議離婚は、離婚届を役所に提出するだけで完了します。
ここで注意したいのは、未成年の子どもがいる場合です。この場合は、子どもの親権者を決めておかなければ離婚届を受理してもらえません。離婚届に親権者を記載する欄があるため、協議の中で必ず決めるようにしましょう。
一方、財産分与や婚姻費用、面会交流などといった親権以外の条件は、決めるタイミングが離婚届提出後であっても問題ありません。つまり、離婚届提出時に決まっていなくても離婚を成立させることができるのです。
2-2. 手続き方法
協議離婚は以下のような流れになります。
- 夫婦が離婚に合意する
- 夫婦間に未成年の子供がいる場合には親権者を決める
- 市町村役所へ離婚届を提出する
タイミングも自由なので、離婚したいと思えば夫婦の都合だけで離婚を成立させることが可能です。
しかし、実際のところは慰謝料や財産分与、年金分割などについてもきちんと決めておかなければ、後々トラブルに発展しやすくなります。そのため、夫婦間の合意内容については、離婚協議書を作成し証拠を残しておくことも忘れずに行いましょう。
(参考記事)離婚協議書の作成方法を解説。記載事項やひな形も紹介
3. 方法②調停離婚

夫婦での協議がうまくいかない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて離婚を成立させる、調停離婚という方法が良いでしょう。調停離婚では、夫婦の間に調停委員と呼ばれる第三者が入って、話し合いを進めていきます。
そのため、
- 最初は協議離婚で離婚しようと思ったけれど、相手が応じてくれない
- 協議中に揉めてしまって結論が出ない
- そもそも話し合いができるような雰囲気ではない
このような状況にある夫婦は、調停離婚が向いていると言えるでしょう。なお、日本において調停離婚が占める割合は約9.7%となっています。
3-1. 成立条件
調停離婚は、調停委員が介入するものの、基本的には協議離婚と同じように夫婦の話し合いにより成立させる離婚です。
そのためお互いが離婚へ合意すれば、離婚理由に関係なく離婚が成立します。 離婚の条件も協議離婚と同様に、夫婦で自由に決めることができます。
調停成立後に、市区町村へ離婚届や必要書類を提出すれば離婚成立となります。
3-2. 手続き方法
調停離婚は以下のような流れになります。
- 家庭裁判所へ調停の申し立てをする
- 家庭裁判所が担当裁判官や調停委員を決め、第1回目の調停期日を設定する
- 第1回目以降、夫婦が合意するまで複数回にわたって調停を行う
- 双方の合意が取れたら調停が成立し、合意内容が調停調書として書面化される
- 調停成立後、10日以内に市区町村へ離婚届を提出する
申し立て後から第1回目の調停日までの期間は通常1ヵ月程度です。ですが、2回目以降も調停を行う場合、次回調停日まで時間がかかることがあります。
たとえば、裁判官や調停委員の予定が合わなかったり、子どもの親権問題が複雑で家庭裁判所調査官による調査が必要だったりする場合は、1ヵ月以上待たされてしまうこともあるでしょう。
一般的に、離婚調停の期間は3ヵ月から6ヵ月、調停期日は2回から4回で成立することが多くなっています。調停による離婚成立が難しいと判断される場合は、不成立として審判、または離婚裁判を行うことになります。
4. 方法③審判離婚

複数回の離婚調停を行ったものの、夫婦双方の合意ができず不成立となる場合もあります。その際に、裁判官が夫婦の事情を考慮した上で離婚条件を審判として言い渡し、離婚を成立させるのが審判離婚です。この際に裁判官が下す審判は、「調停に代わる審判」といいます。
離婚調停から審判へ移行するケースとして、
- 調停不成立になったものの、あらかたの項目の調整や合意ができていた場合
- 離婚条件にわずかな意見の違いがあり、夫婦双方が審判に判断を委ねることに合意している場合
- 離婚や離婚条件に合意していたが、夫婦のどちらかがどうしても調停に出廷できない場合
などが挙げられます。
また、日本において審判離婚が占める割合は約0.03%と、かなり少ない割合となっています。
4-1. 成立条件
審判離婚では、離婚の条件を夫婦で自由に決めることはできません。ですが、調停委員がこれまで夫婦から聴取した状況や内容を裁判官へ伝え、夫婦の公平性を考慮した上で離婚条件を言い渡します。その内容に夫婦双方が合意をした場合は、審判が確定します。
審判確定後に、市区町村へ離婚届や必要書類を提出すれば離婚成立となります。なお、審判の内容に納得ができない場合は、異議申し立てをすることができ、自動的に裁判手続きへと進みます。
4-2. 手続き方法
審判離婚は以下のような流れになります。
- 家庭裁判所へ離婚調停を申し立て、不成立となる
- 裁判官から「調停に代わる審判」を言い渡される
- 審判が出て2週間異議申し立てがない場合、審判が確定する
- 審判確定後、10日以内に市区町村へ離婚届と必要書類を提出する
離婚調停が不成立となった場合に自動的に審判へ進むため、審判において別途手続きをする必要はありません。なお、調停申し立てから審判確定まで、早くても半年はかかると見積もっておきましょう。
5. 方法④裁判離婚

協議離婚や調停離婚での離婚成立が難しい場合は、家庭裁判所で離婚裁判を行い、離婚を成立させる方法があります。これを裁判離婚といいます。
裁判離婚の場合は、たとえ相手が離婚を拒否していたとしても、離婚事由があると裁判所が認めれば、離婚を成立させることができる点が特徴です。
日本において裁判離婚が占める割合は約2.3%ですが、その内和解離婚は約1.3%、判決離婚は約1%と、ごく少数となっています
4-1. 成立条件
離婚裁判を行う場合は、離婚調停が終わっていることが前提とされています。
また、裁判離婚が認められるためには、離婚理由が民法の定める法定離婚事由のいずれかに当てはまることが必要です。法定離婚事由は次の5つです。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
さらに、裁判では離婚理由がこれらの法廷離婚事由に当てはまることを立証し、裁判官に認めてもらわなくてはなりません。そのために、離婚理由に関する証拠が必要となることも覚えておきましょう。
5-2. 手続き方法
裁判離婚の方法や流れは以下のようになります。
- 調停不成立後、家庭裁判所に離婚訴訟の申し立てを行う
- 訴状を受け取った裁判所が第1回口頭弁論の日を決め、相手方に訴状と呼び出し状を送る
- 第1回口頭弁論で、妻と夫それぞれの弁護士が代理人として双方の主張や反論を行う
※1回目の口頭弁論の目的は、あくまで裁判における争点を絞ること - 争点が絞られ、ある程度証拠が揃ったところで、離婚を請求した側と請求された側の妻と夫双方が法廷に出廷し尋問が行われる
- 審議中に裁判官が和解案を示しそれにお互いが合意をした場合、和解離婚が成立し、裁判が終了する
- 和解案に合意をしない場合、尋問終了後1ヵ月~3ヵ月後に離婚の可否や離婚条件に関する判決が下される
- 判決に相手が控訴しなければ、判決内容に従って離婚が成立し、裁判が終了する
- 判決確定後、10日以内に市区町村へ離婚届と必要書類を提出する
裁判離婚は、訴訟から判決確定まで早くて1年、長いと3~4年、ケースによってはそれ以上かかる場合もあります。
6. 離婚方法の他に押さえておきたい2つのポイント

再構築を目指して協議を進めていたとしても折り合いがつかず、離婚へと進まざるを得ない場合もあるでしょう。
そのような場合でも、ただがむしゃらに別れることだけを考えるのではなく、自身が今離婚できる状況にあるか、また、離婚後に続く生活をきちんと想定して、離婚手続き時にしっかりした取り決めができるかを冷静に確認しておくことが大切です。
ここでは、実際に離婚するとなった場合に、スムーズに手続きを進めるために事前に押さえておきたいポイントをご紹介します。
6-1. 夫婦間に子どもがいる場合
夫婦の間に未成年の子どもがいる場合は、親権者を必ず決めなければなりません。先ほども紹介したとおり、親権者が決まっていなければ離婚届が受理されないようになっているからです。
また、親権者を決める際に、子どもの養育費や面会交流についても忘れずに決めておきましょう。親権以外のことを離婚後に取り決めても法律上問題はありませんが、きちんと取り決められるかでいうと、あまり現実的ではありません。
特に、養育費などのお金周りのことはトラブルになりやすい傾向にあります。そのため、夫婦の合意内容は、離婚協議書や公正証書に残しておくなどの対策が必要です。
なお、子どもがいない場合はもちろん親権は関係ないので、議論する必要はありません。
(参考記事)親権ってどのように決まる?子どものために知っておきたい基礎知識
6-2. 夫婦が既に別居している場合
夫婦には同居する義務が法律で定められており、離婚前はこの義務があるとみなされます。そのため、 離婚前に別居をしていると同居義務違反とみなされる場合があります。
代表的なものとして 、
- 相手合意なく一方的に家を出てしまったケース
- 別居先で不倫相手と同居していたケース
が挙げられます。
同居義務違反に反する場合、離婚が不利になってしまうケースや、相手方から慰謝料を請求されるケースもあります。そのため、「旦那と一刻も早く別居したいから」といって相手の同意なしに家を出ていくようなことがないよう、注意が必要です。
とはいえ、次のいずれかの条件に当てはまる場合は例外とされています。
- 夫婦仲が既に険悪になっている
- 別居することにお互いが合意している
- DVなどがある
- 転勤による単身赴任や介護による一時的別居
なお、夫婦が同居している場合は、この義務を満たしているので問題になることはありません。
7. 手続きの際に取り決めるべきこと

お金や子どもに関することは、離婚後に最もトラブルになりやすいものです。
離婚するときに取り決めるべき項目として、
- 婚姻費用
- 慰謝料
- 財産分与
- 年金分割
の4つがあり、子どもがいる場合は、
- 親権
- 面会交流
- 養育費
の3つが加わります。順番に見ていきましょう。
7-1. 婚姻費用
婚姻費用とは、夫婦や子どもが生活を維持するために必要な費用全般のことです。具体的には、衣食住にかかる費用や交通費、子どもの学費などが挙げられます。婚姻中には夫婦が各々の収入に応じて分担し負担する義務があるため、離婚成立前に別居を始めている場合でも負担する必要があります。
つまり、
- まだ離婚はしていないが既に別居中
- 自身より旦那のほうが収入がある
このような場合には、婚姻費用を請求できる可能性あります。
婚姻費用は、離婚協議や別居を始める早い段階で取り決めておくべきでしょう。婚姻費用の金額や、そもそもの支払い可否について折り合いがつかない場合は、「婚姻費用の分担請求調停」を申し立てて調整を図ることもできます。
なお、婚姻費用の金額は、相手と自身の収入と子どもの人数によって相場が変わってきます。裁判所が提示している「婚姻費用の算定表」を参考にしてみてください。
(参考)平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について|裁判所
7-2. 慰謝料
離婚慰謝料とは、離婚によって生じた精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金です。そのため、離婚する原因がパートナーにある場合、慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料を請求したい場合は、相手の離婚原因に関する証拠が必要になります。
なぜなら、自分の主張を裁判官に認めてもらうための証拠を提出する必要があるからです。慰謝料は最終的に裁判で争点になる可能性があります。離婚の原因に関する証拠は必ず準備しておきましょう。
また、慰謝料請求には時効があり、その事実を知ってから3年以内に請求しなくてはなりません。
なお、夫婦の双方に離婚の原因がある場合は、相手からも慰謝料請求される可能性が高いので注意しましょう。
(参考記事)離婚慰謝料の基礎知識|原因・相場・決め方などを解説
7-3. 財産分与
財産分与とは、婚姻中に築いた共同財産を、離婚時に夫婦で分配することです。財産分与の対象となるものの例として、車や不動産、預貯金、有価証券、家具・家財などがあります。
財産分与で受け取る財産は、本来自分がもらうべきものを受け取っただけとみなされるため、基本的に税金はかかりません。
しかし、夫婦の共有財産の額と比較して多く貰いすぎていると判断された場合は、例外として贈与税がかかる可能性があるため、注意しましょう。
また現金ではなく不動産で受け取る場合は、名義変更に登録免許税が必要となります。登録免許税についても、どちらが負担するのか忘れずに話し合っておきましょう。さらに、不動産の場合は、受け取った後は毎年固定資産税を支払うことになる点も頭に入れておく必要があります。
ちなみに、財産を渡す側でも税金がかかる可能性があります。所有する不動産の価値が購入時より高くなっている場合は、その利益に対して譲渡所得税が課されるのです。
しかし、特例控除などで結果的に税金の支払いがなくなるケースも多いので、どのような扱いになるのか確認しておきましょう。
7-4. 年金分割
将来受け取る年金額は、納めた年金保険料の実績をベースに算出されます。
離婚する場合、婚姻期間中における年金保険料の支払い実績を夫婦で公平に分けることができるのです。この制度を年金分割といいます。
年金分割を行うと多くの場合は、年金分割を受けた側は将来の年金額が増え、年金分割をされた側は、将来の年金額が減ることになります。
注意したいのは、年金分割を行うには手続きが必要な点です。自動的に年金分割がされるわけではありません。
また、年金分割にも期限があり、離婚をした日の翌日から起算して2年以内に手続きをする必要があります。そのため希望する場合は、忘れずに手続きをするようにしましょう。
(参考記事)離婚時の年金分割制度とは?手続き方法・計算方法についても解説
7-5. 親権
婚姻中の場合、子どもの親権は夫婦二人が持つ共同親権ですが、離婚後は片親のみ持つことができる単独親権となります。つまり、夫婦のどちらかしか親権を持つことができません。
そのため、未成年の子供がいる夫婦が離婚をするときには、子どもの親権を決める必要があります。子どもの福祉(幸せ)や利益にかなうことを第一優先に考え、納得のいくようしっかりと取り決めましょう。
7-6. 面会交流
子どもに関することとして、必要に応じて面会交流についても取り決めましょう。
面会交流とは、子どもと離れて暮らす親と子どもが定期的に会う機会を設けることです。たとえ夫婦関係が終わるとしても、子どもにとっては血のつながった唯一無二の親ですし、親との関係はこれからも続きます。子どもの希望にも寄り添いながら決めるようにしましょう。
7-7. 養育費
親権を持たない親は、親権を持つ側へ子どものための費用として養育費を支払う義務があります。離婚時には、養育費の支払い期間や期日、金額について細かく取り決めておきましょう。
養育費は、未払いが起きやすいことで社会問題にもなっています。養育費について取り決めた内容は、離婚協議書に定めるだけでなく、公正証書のような公的な書面として残しておいた方がいいでしょう。 この公正証書に「強制執行認諾文言」を記載しておけば、万が一養育費の未払いが発生した場合でも、訴訟手続きをせずに強制執行ができるため、迅速に回収できるかもしれません。
(参考記事)養育費の相場ってどれくらい?未払いを防止する方法ってあるの?
8. 離婚後に必要な手続きとは?

離婚届を提出し無事離婚が成立したところでほっと一息つきたいところですが、離婚後にもしなければならない手続きは様々あります。例えば、
- 住民票の世帯主変更届
- パートナーの社会保険に加入していた場合は、健康保険の加入・変更届
- パートナーの厚生年金に加入していた場合は、国民年金への加入
- 郵送物の転送手続き
旧姓に戻す場合は、
- 運転免許証やパスポートの姓変更
- 銀行口座の名義変更
- クレジットカードの名義変更
子どもがいる場合は、
- 子どもの戸籍や姓の変更
- 児童扶養手当の申請
- 学区外に転居する場合は、転入学届
が必要になります。
ここで挙げたものはあくまで一例ですので、ご自身に必要な手続きは事前に確認しておきましょう。
(まとめ)離婚の方法を頭に入れておき、冷静に協議を進めていこう

離婚するとき、もう既に夫(妻)との関係が悪く、離婚協議や手続きがスムーズに進まない、と悩まれる方もいます。
そのため、離婚を考える前に、離婚する方法を確認し、自分に必要な手続き・作業にどのようなものがあるかを事前に調べて把握することが大切です。あらかじめ流れや決めることを理解しておくと、冷静に協議を進めていくことができますよ。