2021.11.02

離婚するには何をすればいい?手続き方法や注意点を徹底解説!

外した指輪と夫婦

浮気やモラハラ、DVなど、できることならすぐにでも離婚をしたい…と思ってしまうような状況でお悩みの方は多くいらっしゃるでしょう。

ですが、今すぐしたいと思ってもすぐにできるわけではありません。まずは離婚するための方法を知り、冷静に協議を進めることが大切です。

この記事では離婚方法や、前もって知っておきたい注意点について解説します。 


~ この記事の監修 ~

平山弁護士

青野・平山法律事務所
弁護士 平山 愛
現在の日本の夫婦は、必ずしも平等で対等な立場にあるわけではありません。経済的・社会的に弱い立場にある者の生活を守り、公平な解決となるよう心掛けています。

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1. 手続きが成立するまでの流れは?

指差しする女性

離婚するには「離婚届」を書いて提出することは知っているけど、提出のタイミング手続きの方法、そもそもの離婚の成立条件などはわからない…という方も多いのではないのでしょうか。

離婚は人生にそう何回も経験しないでしょうし、わからないことが多いですよね。離婚をスムーズに成立させるためにも、全体の流れを把握しておくことは大切です。

ここでは、離婚をするまでの流れをご紹介いたします。

1-1. パートナーに離婚を切り出す

まずは、パートナーに自身が離婚を考えていることを話すところから始まります。

 ここで無理やり説得しようとしたり冷静さを欠いた応対をしてしまうと、言い合いに発展してしまい離婚の成立問題解決に時間がかかってしまう 可能性が高くなります。そうならないためにも、自身が離婚を検討している理由を簡潔に説明できるように、また、離婚を検討する原因証拠がある場合は、その準備をきちんとしておきましょう。

 離婚を成立させる方法は、協議離婚調停離婚裁判離婚の3種類があります。

 パートナーに離婚の話を切り出し、応じてもらえるなら協議離婚に、応じてもらえないなら調停離婚、裁判離婚へと進んでいきます。次章からそれぞれの離婚の条件や手続き方法について詳しくご紹介しますので、順を追って見ていきましょう。

1-2. 離婚協議書を作成する

言った言わない問答で離婚後にトラブルにならないように、離婚協議中に決まったことを書面化します。

記載する一般的な内容は、婚姻費用財産分与年金分割、(正当な請求理由がある場合は)慰謝料などが挙げられます。子どもがいる場合は、親権養育費面会交流についても取り決めて記載するようにしましょう。

なお、調停離婚や裁判離婚をする場合は、裁判所から取り決められた内容が調停調書、または和解調書といった公文書として発行されるため、別途作成する必要はありません

1-3. 離婚届を提出する

取り決めるべき項目の調整が済み離婚協議が終了したら、役所に離婚届を提出します。

離婚届が受理されたら、離婚が成立します。提出の際に訂正や修正箇所があったときに備えて、夫婦二人の印鑑と身分証明書を準備しておくと安心です。

また、調停・裁判を経て離婚をする場合は、調停の成立日または判決・審判の確定日から10日以内に離婚届を提出しなければなりませんので、注意しましょう。

なお、離婚届は、各市区町村役所の戸籍課市民課でもらえることができます。自治体によってはホームページからダウンロードできるため、時間に余裕がない場合はそちらも利用すると良いでしょう。

1-4. 離婚後に必要な手続きをする

離婚届を提出し無事離婚が成立したところでほっと一息つきたいところですが、離婚後にもしなければならない手続きは様々あります。例えば、

  • 住民票の世帯主変更届
  • ・パートナーの社会保険に加入していた場合は、健康保険の加入・変更届
  • ・パートナーの厚生年金に加入していた場合は、国民年金への加入
  • ・郵送物の転送手続き

 旧姓に戻す場合、

  • 運転免許証パスポートの姓変更
  • 銀行口座の名義変更
  • クレジットカードの名義変更

子どもがいる場合は、

  • 子どもの戸籍や姓の変更
  • 児童扶養手当の申請
  • ・学区外に転居する場合は、転入学届

が必要になります。

 ここで挙げたものはあくまで一例ですので、ご自身に必要な手続きは事前に確認しておきましょう。次章からは、協議離婚、調停離婚、裁判離婚についてそれぞれ詳しくご紹介します。

2. 方法①協議離婚

木の家

協議離婚とは、夫婦の話し合いによって離婚手続きを進める方法です。

日本における離婚の90%以上が協議離婚とも言われています。裁判所を介することなく離婚を完結させられるので、話し合いさえうまくいけば円満に、かつ最も早く離婚を成立させることができます。

2-1. 離婚の条件

協議離婚は、離婚届を役所に提出するだけで完了しますが、ここで注意したいのは、未成年の子どもがいる場合です。この場合は、子どもの親権者を決めておかなければ離婚届を受理してもらえません。

一方で、財産分与といった親権以外の離婚条件は、離婚届に記載する必要はないため、離婚届提出後に決めることも可能です。

2-2. 手続き方法

先ほどご紹介した通り、夫婦が離婚に合意し、市町村役所へ離婚届を提出すれば成立します。タイミングも自由なので、離婚したいと思えば夫婦の都合だけで離婚の成立が可能です。

しかし、実際のところは慰謝料や財産分与、年金分割などについてもきちんと決めておかなければ、後々トラブルに発展しやすくなります

そのため夫婦間の合意内容については、証拠として離婚協議書を作成することも忘れずに行うようにしましょう。さらに、離婚に伴う条件について、公正証書を作成しておけば養育費の未払いがあったときに強制執行が可能になる等、なお安心です。

(参考記事)離婚協議書の作成方法を解説。記載事項やひな形も紹介

3. 方法②調停離婚

真逆を向く折り鶴の夫婦

離婚という選択をする以上、話し合いができるような雰囲気ではない夫婦も珍しくありません。また、最初は協議離婚で離婚しようと思ったけれど、揉めてしまって結論が出ないケースもあるでしょう。

このように夫婦で話し合いがうまくいかない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて離婚を成立させる、調停離婚という方法もあります。調停離婚では、調停委員と呼ばれる第三者が夫婦の間に入って、話し合いを進めていきます。

3-1. 離婚の条件

調停離婚は、調停委員が介入するものの協議離婚と同じように夫婦の話し合いにより成立させる離婚です。

そのためお互いが離婚へ合意すれば、離婚理由に関係なく離婚が成立します。 離婚の条件も協議離婚と同様に、夫婦で自由に決めることができます

3-2. 手続き方法

調停離婚を行う場合は、家庭裁判所へ調停の申し立てをします。

申し立て後に家庭裁判所が担当の裁判官や調停委員を決めたうえで、第1回目の調停期日が設定されます。申し立て後から第1回目の調停日までの期間は通常1ヵ月程度です。ですが、2回目以降も調停を行う場合、次回調停日まで時間がかかることがあります。

たとえば、裁判官や調停委員の予定が合わなかったり、子どもの親権問題が複雑で家庭裁判所調査官による調査が必要だったりする場合は、1ヵ月以上待たされてしまうこともあるでしょう。

一般的に、離婚調停の期間は3ヵ月から6ヵ月、調停期日は2回から4回で成立することが多くなっています。調停による離婚成立が難しいと判断される場合は、不成立として離婚裁判を行うことになります。

4. 方法③裁判離婚

弁護士バッチと書類

協議離婚や調停離婚での離婚成立が難しい場合は、家庭裁判所で離婚裁判を行い、離婚を成立させる方法があります。

裁判離婚の場合は、たとえ相手が離婚を拒否していたとしても、裁判所が離婚事由があると認めれば、離婚を成立させることができる点が特徴です。

4-1. 離婚の条件

離婚裁判を行う場合は、離婚調停が終わっていることが前提とされています。つまり、協議や離婚調停でも話がまとまらなかった場合に、裁判離婚に進むのです。

また、裁判離婚が認められるためには、離婚理由が民法の定める法定離婚理由のいずれか当てはまることが必要です。法定離婚理由は次の5つです。

  • ・配偶者に不貞な行為があったとき
  • ・配偶者から悪意で遺棄されたとき
  • ・配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  • ・配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  • ・その他婚姻を継続しがたい重大な事由

さらに、裁判では離婚理由がこれらの法廷離婚理由に当てはまることを立証し、裁判官に認めてもらわなくてはなりません。

そのために、離婚理由に関する証拠が必要となることも覚えておきましょう。

4-2. 手続き方法

まず、家庭裁判所に離婚訴訟の申し立てを行います。

訴状を受け取ると、裁判所は第1回目の口頭弁論の日を決め、相手方に訴状と呼び出し状を送ります。

第1回目の口頭弁論の後は、ほぼ1ヵ月に1回のペースで裁判が開かれます。この段階では、妻と夫それぞれの弁護士が代理人として双方の主張や反論を行い、裁判における争点を絞ることが目的です。

争点が絞られ、ある程度証拠が揃ったところで、離婚を請求した側と請求された側の妻と夫双方が法廷に出廷し尋問が行われます。

また、審議を進めていく中で、裁判官が和解案を示して和解を勧告することがあります。そのタイミングは裁判官の判断に委ねられており、どの段階でも行われますが、審議前や審議後に行われることが一般的です。

裁判官の和解案にお互いが合意すれば離婚が成立し、裁判が終了します。

一方、合意が得られない場合は、尋問が終わってから1ヵ月から3ヵ月後に離婚の可否や離婚条件に関する判決が下されます。

離婚を認める判決が出て、さらに相手が控訴しなければ、判決内容に従って離婚が成立し裁判が終了します。

5. 上手に離婚するための3つのポイント

電卓と鉛筆

今までの婚姻生活で不満に感じていたことや離婚を考えていることを伝え、今後は改善していけるように話し合い、離婚をせずに解決を図るのが最善ですよね。しかし、折り合いがつかず離婚へと進まざるを得ない場合もあるでしょう。

そのような場合でも、ただがむしゃらに別れることだけを考えるのではなく、自身が今離婚できる状況にあるか、また、離婚後に続く生活をきちんと想定して、離婚手続き時にしっかりした取り決めができるかを冷静に確認しておくことが大切です。

ここでは、実際に離婚するとなった場合に、スムーズに手続きを進めるために事前に押さえておきたいポイントをご紹介します。

5-1. 夫婦間に子どもがいると決める項目が増える?

離婚における子どもの有無による違いとして代表的なのは、親権問題です。子どもがいない場合はもちろん親権は関係ないので、議論する必要はありません

一方、未成年の子どもがいる場合は必ず親権者を決める必要があります。親権者が決まっていなければ、離婚届は受理されないようになっているからです。

また、親権を決める際は親権者の決定だけではなく、養育費面会交流についても忘れずに決めておきましょう。特に養育費は離婚後にトラブルになりやすいので、夫婦の合意内容は離婚協議書公正証書に残しておくなどの対策が必要です。

(参考記事)親権ってどのように決まる?子どものために知っておきたい基礎知識

5-2. 夫婦がすでに別居している場合は?

夫婦には同居する義務が法律で定められており、離婚前はこの義務があるとみなされます。 離婚前に別居をしていると同居義務違反とみなされる場合があります。

ですが、次のいずれかの条件に当てはまる場合は例外とされています。

  • 夫婦仲が既に険悪になっている
  • ・別居することにお互いが合意している
  • DVなどがある
  • ・転勤による単身赴任や介護による一時的別居

そのため、法律で定められてはいるものの、離婚前に既に別居していることは決して珍しいことではありません。

しかし、中には、同居義務違反として離婚が不利になってしまう場合もあるので注意が必要です。代表的なものとして 、

  • 相手の合意なく一方的に家を出てしまったケース

が挙げられます。

たとえば、夫婦仲良く暮らしていたのに急に「1人になりたい」と言って、相手の了承なく突然いなくなってしまった場合は、同居義務違反となる可能性が高いでしょう。

なお、夫婦が同居している場合は、この義務を満たしているので問題になることはありません

5-3. 離婚時に取り決めるべきお金とは?

金銭面に関することは、最も離婚後のトラブルになりやすいものです。

離婚するときに決める金銭的な問題としては、慰謝料養育費財産分与年金分割の4つがあります。順番に見ていきましょう。

5-3-1. 慰謝料

慰謝料を請求したい場合は、相手の離婚原因に関する証拠が必要になります。

なぜなら、慰謝料は最終的に裁判で争点になる可能性があり、自分の主張を裁判官に認めてもらうための証拠を提出する必要があるからです。 離婚の原因に関する証拠は必ず準備しておきましょう。

また、慰謝料請求には時効があり、その事実を知ってから3年以内に請求しなくてはなりません。

他にも性格の不一致など、夫婦の双方に離婚の原因がある場合は、相手からも慰謝料請求される可能性が高いので注意しましょう。

(参考記事)離婚慰謝料の基礎知識|原因・相場・決め方などを解説

5-3-2. 養育費

養育費で注意したい問題に未払いがあります。

離婚時には、養育費の支払い期間金額について細かく取り決めることになりますが、この内容はただの離婚協議書に定めるだけでなく、公正証書を作成しておいた方がいいでしょう。

この公正証書に執行受諾文言の記載を加えておけば、万が一養育費の未払いが発生した場合でも訴訟手続きなしで養育費を回収することができます。

(参考記事)養育費の相場ってどれくらい?未払いを防止する方法ってあるの?

離婚後の養育費に不安があるなら「養育費賞」

5-3-3. 財産分与

財産分与で受け取る財産は、本来自分がもらうべきものを受け取っただけとみなされるため、基本的に税金はかかりません

しかし、夫婦の共有財産の額と比較して財産をもらいすぎと判断された場合は、例外として贈与税がかかる可能性があるので注意しましょう。

また現金ではなく不動産で受け取る場合は、名義変更に登録免許税が必要となります。登録免許税についても、どちらが負担するのか忘れずに話し合っておきましょう。

さらに、不動産の場合は、受け取った後は毎年固定資産税を支払うことになる点も頭に入れておく必要があります。

ちなみに、財産を渡す側でも税金がかかる可能性があります。所有する不動産の価値が購入時より高くなっている場合は、その利益に対して譲渡所得税が課されるのです。

しかし、特例控除などで結果的に税金の支払いがなくなるケースも多いので、どのような扱いになるのか確認しておきましょう。

5-3-4. 年金分割

将来受け取る年金額は、納めた年金保険料の実績をベースに算出されます。

離婚する際は年金分割という仕組みによって、婚姻期間中における年金保険料の支払い実績を夫婦で公平に分けることができるのです。

年金分割を行うと多くの場合は、年金分割を受けた側に将来の年金額が増えます一方で年金分割をされた側は、将来の年金額が減ることになります。

年金分割で注意したいのは、自動的に手続きが行われるわけではないことです。

年金分割にも期限があり、離婚をした日の翌日から起算して2年以内に手続きをする必要があります。そのため希望する場合は、忘れずに手続きをするようにしましょう。

(参考記事)離婚時の年金分割制度とは?手続き方法・計算方法についても解説

(まとめ)離婚の方法を頭に入れておき、冷静に協議を進めていこう

スマホと虫眼鏡

離婚するとき、もうすでに夫(妻)との関係が悪く、離婚協議や手続きがスムーズに進まない、とお悩みになられる方もいます。

そのため、離婚を考える前に、離婚する方法を確認し、自分に必要な手続き・作業にどのようなものがあるかを事前に調べて把握することが大切です。あらかじめ流れや決めることを理解しておくと、冷静に協議を進めていくことができますよ。


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